血統書付きのホシュを今すぐ終焉させよ!

Post's thumbnail

 大河「べらぼう」は江戸城内が緊迫感を増しています。老中会議では、田沼意次(渡辺謙)の経済政策(南鐐二朱銀発行・株仲間を公認した商人からの運上冥加)により、幕府の金蔵が明和大火(1772)前の水準まで戻ったことが報告されました。すると老中筆頭の松平武元(石坂浩二)は日光社参を執り行いたいと言い出します。上下関係に煩い朱子学者は将軍の意向を高めれば全て上手くいくと考えがちですが、この時の社参(1776)では22万両(幕府年収の1/7)も支出されました。莫大な政府支出は公共投資と言えなくもないでが、当時は金銀本位制(金銀の量により発行限度アリ)であり、継続的な経済的繁栄も見込めないなら事後不況は免れず、ゆえに公共には資するとは言えません。さらに大名・旗本だけでなく人足として駆り出される農民の負担も大きく、翌年の年貢にも必ず支障が出ます。由緒正しい朱子学者は、庶民に緊縮を強いながら幕府が浪費するのはOKってわけです。
 意次は社参中止を求める嘆願書を集めて将軍・家治(眞島秀和)に訴えましたが、家基(嫡男:奥智也)と千保の方(側室:高梨臨)の意向と聞かされては逆らえません。武元から「成り上がりの田沼に社参の準備は出来るか?」と嫌味を言われると「高家・吉良様よろしく御指南願えれば」と返しました。多くの由緒正しい武家が感動したであろう赤穂義士討入事件(1702)を背景に、武元を吉良上野介(悪)、自分を浅野内匠頭(善)に見立てた見事な切り返しでした。
 そんな頃、田沼家に来た佐野政言(矢本悠馬)が田沼意知(宮沢氷魚)に家系でマウント取りながら出世を依頼しに来ました(田沼家の家柄を底上げする代わりに出世させろ)。後に政言は江戸城内で意知に対して刃傷に及び、間もなく意知は亡くなり、ここから終焉に向かいます。
 一方の蔦谷重三郎(横浜流星)は、由緒正しい老舗版元・鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助)と西村屋与八(西村雅彦)に嵌められたことを知り、大火以降の経営難から鱗形屋が偽版(海賊版)出版に手を染めていたのを放置し、罪悪感を覚えつつも摘発後は自分が成り代わろうとします。

 さて、以上から解ることは由緒の無意味さです。そして今、最も無意味な由緒は旧宮家に連なる男系子孫(約80年前に皇籍を離れた一般国民)です。それを過大に有難がる由緒正しいホシュを今すぐ終焉させねばなりません。

文責:京都のS

7 件のコメント

    京都のS

    2025年2月17日

     皆様、※ありがとうございました。
     ジョージ様、♂の性質は競争だからでしょうか。ホント厄介ですね。
     れいにゃん様、「揺り返し」の重なりに恐ろしさを感じました。「濡れ手に粟餅」と言った長谷川平蔵宣以は定信が老中となった時、腹心として(寛政の)改革を進める側ですから、やがて蔦重の敵となる気がします。
     SSKA様、江戸中期の由緒正しき朱子学者と現代の由緒正しき儒教的男系固執者との相似形にはゾッとしますね。
     パワー様、出自が何であろうと民が権威を感じてしまったら不動のものとなってしまう日本人の権威主義は如何ともしがたいですね。

    パワーホール

    2025年2月16日

    言葉は悪くなりますけど、徳川はもともとは三河の下級武士であり戦国のどさくさで成り上がりました。その家臣たちも同様です。それが、時がたてば由緒正しい家柄にあってしまうとは不思議なものです。

    SSKA

    2025年2月16日

    無駄な費用を掛けて仰々しい儀式を披露し、権威を保とうとするのは現代の立皇嗣の礼と同じで、何れも人心を無視する儒教やその派生の悪弊丸出しな気がします。
    皇室の将来を憂える上皇様のお気持ちとそれを実現しようと譲位制実現に動いて女帝に関しての附帯決議を入れた民進党と真摯に対応した大島理森氏、これら全てをへし折る意図で国民が令和を祝福するムードに水を差す様に新たな有識者会議と前例の無い立皇嗣を附帯決議に反する形で路線化しようとするのも、憎き田沼を失脚させようと手段を選ばない老中連中と同様の心理でしょう。
    この手のやり口は目的が利己心しか無いので、大概の場合権威の失墜しか招きません。

    れいにゃん

    2025年2月16日

    べらぼう第5回では、江戸城のターンにより目が行きました。将軍・家治は、日光社参を行う理由として”己を通しすぎると家基の時代に田沼は真っ先に廃されるぞ。”と、揺り返しを恐れ、田沼家の未来を案じました。
    田沼意次の「上様におかれましては、私如き及びもつかない深いお考え」というセリフが悲しい。
    ”行き過ぎたキャンセルカルチャーは、日本では皇室のキャンセルに繋がる危険が高く、又、その揺り返しとして真の弱者が切り捨てられる風潮がすぐそこまで来ている”という旨を漫画家・小林よしのり先生が発言していることと重なりました。
    蔦重が最後に「濡れ手に粟餅」に有難く齧り付いたように、したたかに、洒落を忘れずに乗り切りたいものです。

    あしたのジョージ

    2025年2月16日

    男性という生き物は、とかくメンツにこだわる人が多いと思います。
    こんな私でもそういうところはあります。🥹
    女性にもあるとは思いますが、男性のそういうところは、男性社会の日本だけに余計に厄介だと思っています。🤔

    京都のS

    2025年2月15日

     前回のをコピペした弊害が(↓・笑)。

    京都のS

    2025年2月15日

     掲載ありがとうございました。今回の内容で疑問符が付いていることがあります。それは唐丸の正体が喜多川歌麿(成長した姿は染谷将太)である可能性が高いとの情報が出たことです。「写す」だの「楽しませる」だのの結論部分を構成しただけに残念ではあります。

     さて、「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」の要素を含むブログは以下です。

    ・「『べらぼう』が始まった今だから言っておきたい平賀源内異聞」( https://aiko-sama.com/archives/48334
    ・「『光る君へ』と『べらぼう』を繋ぐレイラインと愛子天皇への道」( https://aiko-sama.com/archives/49128
    ・「『血のスペア』という非人道的システム」( https://aiko-sama.com/archives/49347
    ・「『○○売れ』とは『景気の気』」( https://aiko-sama.com/archives/50040
    ・「正しい改革も楽しませながら訴える時代だから」( https://aiko-sama.com/archives/50174

    ・「『光る君へ』から皇族女子の生き辛さを思う 2nd season」( https://aiko-sama.com/archives/37751
    ・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 15th season」( https://aiko-sama.com/archives/48744

コメントはこちらから

全ての項目に入力が必須となります。メールアドレスはサイト上には表示されません。

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。