
以前、当サイトで紹介されていた『「つくられる子どもの性差―「女脳」「男脳」は存在しない』(森口佑介著/光文社新書)を読んでみました。本書は『話を聞かない男、地図が読めない女』(Aピーズ&Bピーズ著)という性差を扱う古典的著書への的確な反論です。従来の議論で性差が有ると語られてきた、色の好み(:青、
:ピンク)・玩具の好み(
:乗り物、
:人形)・空間認知(心の中に描いた図形を回転させるのは
が
より得意:地図を読むのは
が得意)・言語(
:言語能力が高い、
:口下手)・攻撃性(男性ホルモンが攻撃性の根源)・得意科目(
:理数系、
:文系)・感情(
:怒りっぽい、
:よく笑う)…についての実験を著者がメタ分析した結果から、生後すぐには性差が無く、成長と共に顕在化しても微差に留まり、その差も親や周囲の大人の関わり方、期待される性役割やジェンダーステレオタイプの内面化による可能性が示されました。
ここで現状の男尊女卑社会が形成された原因を考察すると、多くの国や地域では近現代までの支配者層が男性ばかりだった歴史的経緯と密接に関わりそうです。脳機能に性差が無かった場合に男女で最も際立った違いは筋力です。他国や他民族、他教徒・他宗派…との戦争が身近にある時、筋力が高いゆえ戦力になるの特徴を、理論的・理数系に強い・道具の扱いが巧み・地図が読める・闘争心が強い・無駄口を叩かない…としておく方が好都合であり、戦果を挙げた
を褒賞する意味で
より地位を高くしたと考えられ、戦時から平時に移っても
が既得権を手放さなかった結果が現状だと言えそうです。それゆえ日本のフェミニストは反戦平和や9条護憲、自虐史観、キャンセルカルチャーetc.を標準装備しています。
では、男尊女卑の解消は心身の武装解除とセットでしか成し得ないのでしょうか?男尊女卑&男系主義の維持(統一協会のステルス侵略)or各種侵略の受容(中露の軍事侵略)という二択なのでしょうか?否です。世界でも稀有な日本の歴史を繙けば、神功天皇(皇后)・斉明天皇・持統天皇などの女傑を戴いて男たちが戦う行き方こそ日本の伝統だからです。また、縄文期日本は複数の女系血族集団を男が渡り歩く形だったらしく、その慣習が活きていればこそ古墳被葬者の半数が女性なのです。
であれば、
愛子天皇を戴かないことこそ歴史の冒涜です!
文責:京都のS
12 件のコメント
京都のS
2025年3月21日
ジョージ様、※ありがとうございます。なるほど、弱者男性こそ女性に手を挙げるという事実と合致する話ですね。日本人は縄文期や古代に還るべきですね。
あしたのジョージ
2025年3月20日
美輪明宏さんは確か、『神様は、人して男性は実際には強くないから腕力を与えられて、女性は実際には強いので腕力を奪われた』というような事を言っていた記憶があります。
子供を産んで育てる事は、大変な事だと思います。
肉体的にも精神的にも強くなければ出来ない事だと思います。
女性の偉大さを男性はもっと認識しなければいけないと思います。
女性とお付き合いした事がない私が、偉そうに言える事ではありませんが。🥴
京都のS
2025年3月20日
『つくられる子どもの性差―「女脳」「男脳」は存在しない』(森口佑介著/光文社新書)を紹介してくださった”まいこ”様にも感謝いたします。コレは良書でした。
京都のS(サタンのSでも飼い慣らすし)
2025年3月20日
さらうどん様、※ありがとうございます。私も、ふとした瞬間に顔を出しそうになる「甘え」や「弱さ」を克服したいです。
暗山満は「甘えじゃないやい!」「弱さじゃないやい!」「単なる蘊蓄じゃなく真理じゃい!」と思っているでしょうけど(笑)。
京都のS
2025年3月20日
枯れ尾花様、※ありがとうございます。敬虔なキリスト者ならGODのために殉教するような心持で戦うのでしょうが、日本人なら人と人との絆が戦う活力の源となるはずです。それは(明治から戦前昭和までのように)他人から強制されるものではなく、自然に発生する恋闕心でなければ効果を発揮しません。現在なら、その対象が旧宮家系子孫(♂)なんかであるはずが無く、愛子様以外は「No Thank you」ですね。
さらうどん
2025年3月19日
私は自分自身が「甘え」からくる無意識の男尊女卑の呪縛(それを突かれると自分自身の痛いところも突かれるから怖さがある)に未だに囚われていると思っています。因習固執派の人達に自分と同じような無意識にある「弱さ」を感じてしまいます。これは蘊蓄をいくら補強したところでどうにもならないものです。
枯れ尾花
2025年3月19日
ヘタレの私でも愛子さまを天皇として戴いたら戦えるかもしれない、と、ふと思いました。
京都のS
2025年3月19日
突撃様、※ありがとうございます。そのシリーズは刺激的でした。ジェンダー(文化的性差)の著書の論考と横浜DOJOのテーマ「ウクライナ戦争と国際法の行方」を絡ませたら、結構ソレに近い結論になっていきました。最後の一文(その為にも~…~刻もうではありませんか!!)はホントその通りです。
突撃一番
2025年3月19日
そう言えば、持統天皇が「庚寅年籍」(戸籍)を作成した時も、男子に比べて女子の人口調査が割とズサンだった事が指摘されてますね。
「一戸一兵士」の原則に基づく徴兵の為、男子の数を正確に把握する必要があっからだそうです。
(今津勝則『戸籍が語る古代の家族』)
今回の京都のSさんと似たようなテーマで、過去にブログ書いたのを思い出しました。
「女性優位の軍事国家は、可能か?」
https://aiko-sama.com/archives/40150
ウクライナ戦争を見ても、どうしても戦時下において「一時的な男手需要」が優先されるのは、戦争に勝利する為には仕方のない事かも知れません。
問題は平和を取り戻した後、ちゃんと女性の地位を回復させる為にはどうすべきか、という点ではないかと思います。
その為にも「女帝は決して中継ぎではない。愛子天皇の娘さんだって、ちゃんと皇太子になったじゃないか!」という “既成史実” を、我々が頑張って日本に刻もうではありませんか!!
京都のS
2025年3月19日
修正ありがとうございました!
京都のS
2025年3月19日
『話を聞かない男、地図が読めない女』の間違いでしたorz
京都のS
2025年3月19日
これは「横浜DOJO~ウクライナ戦争と国際法の行方」(4.20.)とも関わる内容です。興味が湧いたら(↓)に参加してください。
https://www.gosen-dojo.com/blog/53293/