維新の会「皇位の安定程継承」勉強会 講師 百地章氏&岩井克己氏 

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当サイトでも物議を醸している維新の会に関するポストに掲載された旧宮家家系図。

日本維新の会(2016年結党後初の国政選挙)のHPを調べたところ、令和元年(2019年)6月18日に開催された「憲法改正調査会 勉強会」において百地章氏(国士舘大学特任教授)が「皇位の安定程継承」について話をされた際の資料のようです。

2019年6月18日(火) 日本維新の会政調会 役員会並びに憲法改正調査会 勉強会(「皇位の安定的継承」について)開催のお知らせ
旧宮家家系図

第三回全体会議において 衆 議 院 法 制 局 長は、百地氏の見解を引用していました。

馬 淵 先 生 御 指 摘 の 点一 般 国 民 で あ る 十 一 宮 家 の 男 系 男 子 に 限 る と い う こ と は 、 十 四 条 一 項 の 平 等 原 則 違 反 に 当 た り 得 る 。 十 一 宮 家 の 男 系 男 子 に 限 定 す る と い う こ と は 、 皇 統 に 属 す る 他 の 男 系 男 子 間 の 中 で も 同 じ く 平 等 原 則 に 反 す る と い う 疑 義 が 生 じ る)  に つ き ま し て は 、 た だ い ま 内 閣 法 制 局 の 佐 藤 部 長 の 御 答 弁 の よ う に 、 現 在 の 憲 法 構 造 か ら い た し ま し て 、 憲 法 十 四 条 の 関 係 に お い て 特 段 の 問 題 は 生 じ な い と す る 旨 の 解 釈 が ご ざ い ま す し 、 学 者 の 先 生 方 の 中 で も 、 百 地 章 日 大 名 誉 教 授 の よ う に 、 政 府 解 釈 は 妥 当 な 解 釈 で あ る と 述 べ ら れ る 先 生 も い ら っ し ゃ い ま す 。

日本維新の会は、令和元年5月15日にも、「憲法改正調査会 勉強会」において岩井克己(いわいかつみ)氏(ジャーナリスト・元朝日新聞記者)が「皇位の安定程継承」について話をされたようです。

2019年5月15日(水) 日本維新の会政調会 国土交通、決算行政部会ヒアリング並びに、憲法改正調査会 勉強会(「皇室の安定継承」について)開催のお知らせ

令和の有識者会議ヒアリングにおいても、両氏は発言をしています。

「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議

有識者ヒアリングで示された主な意見のうち、百地氏のものを抜粋してみました。

○このままでは悠仁親王殿下を支える皇族は減少する一方であるから、少しでも早く旧皇族の家系から若くてふさわしい方々を皇族に迎え、悠仁親王殿下を支える体制を整える必要がある。(百地氏)
○皇室の伝統は男系であり、憲法にいう「世襲」とは「男系」を意味する、というのが立法者意思。政府も一貫して「皇位の世襲」とは「男系」少なくとも「男系重視」を意味すると解釈してきた。(百地氏)
○皇室典範第1条は「男系の男子」を要求している。歴史上の女性天皇は、ふさわしい男子が得られないときに、一時的、例外的に皇位につかれただけであり、皇位の安定的継承に資するものではない。男子不在であればともかく、現に秋篠宮皇嗣殿下と悠仁親王殿下がいらっしゃるのであるから、皇室典範改正の必要性は疑問。(百地氏)
○憲法第2条にいう「世襲」とは男系を意味する、というのが立法者意思。歴代政府も一貫して皇位の世襲とは男系、少なくとも男系重視を意味すると解釈してきた。安易に女系を容認するのは憲法違反の疑いがあり、許されない。女系は、2千年近い「皇室の伝統」を破壊し、「万世一系の皇統」を否定するもの。女系を容認すれば、その時点で初代神武天皇以来の皇統は断絶し、新たな王朝が誕生、その正統性が問われることになる。(百地氏)
「宮家」は、「皇統の危機」に備え、男系男子を確保するためのもので、「女性宮家」ではその役割が果たせず、歴史上も「女性宮家」など存在しなかった。「女性宮家」の最大の問題は、皇室と全く無縁な「民間人成年男子」が結婚を機に、突然「皇族」となり皇室に入ってくる危険があること。「子」も皇族とすれば「女系皇族」が誕生し、「女系天皇」につながるおそれが出る。これは皇室の伝統と憲法に反する。女性皇族の配偶者のみを皇族とする「一代宮家」を創設した場合、お子様が誕生したときは、「親子別籍」「親子別姓」「親子別会計」の奇妙な「家族」が誕生する。果たしてこれを正常な「家族」と呼べるのか(百地氏)→一周廻って立憲民主党と似た意見に
○皇室典範の特例法として、「旧皇族の男系男子による皇族身分取得特例法」(仮称)や「旧皇族の男系男子による養子特例法」(仮称)を制定し、旧皇族の男系男子孫の中から何人か若いふさわしい方々に「皇族」となっていただいたり、現宮家の「養子」という形で皇族になっていただく旧皇族の男系男子孫は、皇室と親戚関係にあり、いまなお親密な交際がなされている。そのような歴史的に由緒正しい若い方々を皇族としてお迎えするのであれば、国民感情としても受け入れやすく、理解も得られやすいのではないか。また「女性宮家」のように、皇室と全く無縁な民間人の成年男子が、女性皇族との婚姻を機に突然皇室に入ってくるよりもはるかに安心できる。歴史上、皇族が臣籍降下した後に、再び皇籍を取得した例は存在する。なお、旧皇族の男系男子で秋篠宮皇嗣殿下の次の世代に属する若い方々を皇族として迎えるのは、できるだけ早い方が望ましい。少しでも早く迎えて、悠仁親王殿下を支える体制を整えていただきたい。〔憲法第 14 条との関係について〕旧皇族はもともと皇室典範第2条第2項の皇族として位置付けられた方々であり、純然たる国民と言えるのか疑問がある直系の皇統の危機にあり、潜在的に皇位継承権を持っているとみてよいのではないか。一般国民とは違う立場にあるため、特別な扱いがされてもよい。(百地氏)

安定的皇位継承を巡る全体会議において、維新・藤田文武議員は 皇 室 と い う の は 、 一 つ 大 原 則 、 何 た る か と い え ば 、 男 系 で つ な い で き た と い う の が 、 い ろ い ろ そ ぎ 落 と す と 残 る 原 則 と述べていました。

維新の言説の出どころは、数年前の勉強会の影響も大いにあるのかもしれません。

「愛子天皇論」を踏まえた勉強会、立憲民主党もやってみませんか?

「愛子天皇への道」サイト運営メンバー まいこ

2 件のコメント

    ダダ

    2025年4月14日

    今現在は『皇室と全く無縁な民間人の成年女子が、男性皇族との婚姻を機に突然皇室に入ってきている』わけです。
    それなら、皇室と全く無縁な民間人の成年男子が、女性皇族との婚姻で皇室に突然入ってきても問題ないでしょう。

    男系男子の養子案は目的と手段に整合性が無い(国民の中から旧宮家を対象とすることは特別扱いとなる=門地差別。その上、安定継承が実現しない)ため、棄却されるのが当然です。

    SSKA

    2025年4月14日

    全体会議で政府の意見を述べた官僚達もベースは百地に近いのでしょうか。

    >皇室の伝統は男系であり、憲法にいう「世襲」とは「男系」を意味する、というのが立法者意思。政府も一貫して「皇位の世襲」とは「男系」少なくとも「男系重視」を意味すると解釈してきた。

    >皇室典範第1条は「男系の男子」を要求している。

    >憲法第2条にいう「世襲」とは男系を意味する、というのが立法者意思。歴代政府も一貫して皇位の世襲とは男系、少なくとも男系重視を意味すると解釈してきた。安易に女系を容認するのは憲法違反の疑いがあり、許されない。

    >旧皇族はもともと皇室典範第2条第2項の皇族として位置付けられた方々であり、純然たる国民と言えるのか疑問がある。

    「世襲=男系(男子)」の様に一致する考えは第三回の内閣官房参与山崎氏による沖縄の風への回答にて、戦後から続く日本政府の見解として全否定されています。
    >当 時 の 立 法 過 程 を 見 て お り ま す と 、 日 本 国 憲 法 上 は 世 襲 と い う こ と だ け を 定 め て お っ て 、 そ こ で 、 そ の 下 位 規 範 で あ る 皇 室 典 範 で 男 系 の 男 子 と い う ふ う に 決 め た と い う こ と で ご ざ い ま し て 、 当 時 の 制 憲 国 会 を 見 て お り ま し て も 、 必 ず し も 男 性 に 限 ら ず 、 そ れ は 、 皇 室 典 範 と い う 国 会 の 議 決 の 法 規 範 の 中 で 世 襲 の 内 容 は 決 ま っ て い く と い う 趣 旨 の 発 言 が ご ざ い ま し た の で 、 (以下略)

    血統を継ぐ世襲は譲れない原則でもその内容(特に性別に関わる事等)は固定されず、時代に合わせて議論で決まると言う事で、百地の様に平然と大嘘をついて歴史を改ざんする人間を学者とは呼べません。
    また同じ日本国憲法下において皇族から国民に変わった人やその子孫が両方の属性を持つかの様な男系派の多くが好む主張は憲法、典範何れの条文にも無い完全なでっち上げです。
    憲法14条は政治の平等性を保つ為の血統否定なので、同じ憲法の世襲(2条)も章が別だからと言って無関係ではなく、それを損なう様な矛盾した運用は禁ずる事が本来要請される規範意識でしょう。

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