愛子さま御即位を前提 平成の有識者会議報告書読み④ Ⅲ-4 結び【論点 女性天皇議論の20年 毎日新聞】皇位の安定的な継承を維持するためには、女性天皇・女系天皇への途を開くことが不可欠

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毎日新聞「論点 女性天皇議論の20年」冒頭に挙げられた「皇室典範に関する有識者会議 報告書」。

2005年、小泉純一郎首相(当時)の下で、有識者会議が女性・女系天皇の容認を柱とした報告書をまとめた。それから20年がたつが、典範の改正などには至っていない。このような状況の中、読売新聞が今年5月、安定的な皇位継承のため、女性・女系天皇を排除しないなどの対策を提言した。議論は結実するのか。

毎日新聞は、読売提言も踏まえ、安定的皇位継承の唯一の道である女性・女系天皇、すなわち双系継承を柱とした平成の有識者会議報告書に立ち戻るべきと示唆しているように思います。

秋の臨時国会を前に、改めて少しずつ読み進めておきましょう。

「皇室典範に関する有識者会議 報告書」平成17年11月24日(〔参考)などはPDFでご確認ください)

4. その他関連制度
現行制度には、以上のほかにも、皇族男子と皇族女子との間で差異が設け
られているものが存在
する。これらは、主として、皇位継承資格の有無に基
づくものであり、皇位継承資格を女子にも拡大することに伴い、見直しが必
となる。具体的には、以下のような関連制度について、基本的には皇族女
子に関する制度を皇族男子に合わせる方向で見直すことが必要
である。〔参考
32〕

(1) 女性天皇、内親王、女王の配偶者に関する制度
① 配偶者の身分
現行制度では、天皇(男性)、親王、王の配偶者は皇族となることと
されている。これと同様に、女性天皇、内親王、女王の配偶者も皇族の
身分を有することとする必要がある
。これに伴い、戸籍上の扱いも、天
皇(男性)、親王、王の配偶者と同様、婚姻の際に、その戸籍から除かれ、
皇統譜に登録することとする必要がある。

② 配偶者の名称
現行制度では、天皇(男性)の配偶者は皇后、天皇(男性)の寡婦は
太皇太后、皇太后と称されている。また、親王、王の配偶者には、それ
ぞれ、親王妃、王妃の名称が用いられている。女性天皇、内親王、女王
の配偶者等についても、専門的知識を有する有識者等の知見も得て、
切な名称を定める必要
がある。

なお、天皇、皇太子、皇太孫という名称は、特に男子を意味するもの
ではなく、歴史的にも、女子が、天皇や皇太子となった事実が認められ
るため、女子の場合も同一の名称を用いることが適当
である。

③ 配偶者の敬称等
現行制度では、皇后、太皇太后、皇太后の敬称は、天皇と同様「陛下」
とされ、その他の皇族は「殿下」とされている。また、陵墓についても、
皇后、太皇太后、皇太后は、天皇と同様「陵」、その他の皇族は「墓」と
されている。女性天皇の配偶者、寡夫についても、これと同じく、天皇
と同様の敬称等とする必要
がある。

④ 婚姻手続き
現行制度では、天皇(男性)、親王、王の婚姻は、皇室会議の議を経
ること
とされている。これと同様に、女性天皇、内親王、女王の婚姻に
ついても、皇室会議の議を経ることとする必要がある。

皇族男子と皇族女子との間で差異が設けられているものが存在はしていても、美智子さま、雅子さま、紀子さまと、すでに婚姻によって皇族になる例に従って、粛々と女性皇族の配偶者の方の身分、名称、敬称、婚姻手続きは進められるはず。この際、やはり皇室会議の議を経る皇室のことは皇室にお決めいただくことが重要になってくると考えられます。

ライジング Vol.547「皇位継承は天皇が決めるべきである」

(2) 摂政就任資格・順序
天皇が成年に達しない場合や重大な事故等により国事行為を自ら行うこ
とができない場合は、摂政を置くこととされている。現行制度では、天皇
の配偶者・寡婦(皇后、皇太后、太皇太后)も、この摂政に就任する資格
を有する
こととされている。これと同様に、女性天皇の配偶者・寡夫も摂
政就任資格を有することとする必要
がある。

また、就任の順序については、現行制度では、皇族男子(皇太子、皇太
孫、親王・王)が優先され、次いで皇后・皇太后・太皇太后、さらに内親
王・女王、という順位が設定
されている。この順序は、皇位継承資格を有
する者を優先するという考え方であると思われるため、今後は、まず、
女を問わず皇位継承資格を有する皇族を先順位
とし、次いで、天皇の配偶
者・寡婦(夫)を位置付けるという考え方をとることが適当
である。皇位
継承資格者の範囲内では、現行制度と同様、皇位継承順によることが適当
である。
なお、この摂政就任資格・順序は、国事行為の臨時代行にも準用されて
いるため、臨時代行制度にも以上の考え方が適用
されることとなる。

(3) 皇室経済制度
皇族としての品位保持の資等に充てるために支出される皇族費について、
現行制度では、親王と内親王、王と女王との間で差が設けられている。具
体的には、独立の生計を営む場合の年額につき、内親王及び女王は、それ
ぞれ親王及び王の2分の1の額
と定められており、これが、皇籍離脱等の
際の一時金にも反映される制度となっている。これは、皇位継承資格の有
無に着目して設けられた差異であると考えられるため、内親王・女王も皇
位継承資格を有することとした場合には、親王・王の水準に合わせる必要

がある。

また、親王・王についてのみ配偶者の皇族費の額が定められているが、
婚姻による皇籍離脱制度の見直しに伴い、内親王・女王の配偶者について
も、同等の額を定める必要
がある。
なお、皇族費及び内廷の日常の費用等に充てられる内廷費については、
皇族としての役割等に照らして十分な水準となるよう適時適切な見直しを
行う必要がある。

皇室典範
第十七条 摂政は、左の順序により、成年に達した皇族が、これに就任する。
一 皇太子又は皇太孫 二 親王及び王 三 皇后 四 皇太后 五 太皇太后 六 内親王及び女王

現行制度においても、皇后、皇太后、太皇太后のみならず、六 内親王及び女王にも、摂政に就任する資格がある、すなわち女性皇族国事に関する行為をできるということで、内親王・女王も皇位継承資格を有すること、すなわち女性皇族が天皇になることに何の支障もありません。

女性皇族が皇位継承資格を有するに伴い、摂政に就任する順位や皇族費など、男系男子限定の皇位継承に付随した前時代的な制度も改める必要があることも、平成の報告書は抜かりなく示しています。

結び
象徴天皇の制度は、現行憲法の制定後、60年近くが経過する中で、多く
の国民の支持するものとして定着してきた。我々は、古代から世襲により連
綿と受け継がれてきた天皇の制度が、将来にわたって、安定的に維持される
ことが何よりも重要であり、また、それが多くの国民の願いであるとの認識
に立って、検討に取り組んできた。

象徴天皇の制度は、国民の理解と支持なくしては成り立たない。このこと
を前提に、冒頭述べたように、制度の成り立ちからその背景となる歴史的事
実を冷静に見つめ、多角的に問題の分析をした結果、非嫡系継承の否定、我
が国社会の少子化といった状況の中で、古来続いてきた皇位の男系継承を安
定的に維持することは極めて困難であり、皇位継承資格を女子や女系の皇族
に拡大することが必要であるとの判断
に達した。

古来続いてきた男系継承の重さや伝統に対する国民の様々な思いを認識し
つつも、議論を重ねる中で、我が国の将来を考えると、皇位の安定的な継承
を維持するためには、女性天皇・女系天皇への途を開くことが不可欠であり、
広範な国民の賛同を得られるとの認識で一致するに至った
ものである。

検討に際しては、今後、皇室に男子がご誕生になることも含め、様々な状
況を考慮したが、現在の社会状況を踏まえたとき、中長期的な制度の在り方
として、ここで明らかにした結論が最善
のものであると判断した。

ここでの提言に沿って、将来、女性が皇位に即くこととなれば、それは、
近代以降の我が国にとっては初めての経験となる。新たな皇位継承の制度が
円滑に機能するよう、関係者の努力をお願いしたい。

皇位の継承は国家の基本に関わる事項であり、これについて不安定な状況
が続くことは好ましいことではない。また、皇族女子が婚姻により皇族の身
分を離れる現行制度の下では、遠からず皇族の数が著しく少なくなってしま
うおそれがある。さらに、将来の皇位継承資格者は、なるべく早い時期に確
定しておくことが望ましい。このような事情を考えると、皇位継承制度の改
正は早期に実施される必要がある。
当会議の結論が、広く国民に受け入れられ、皇位の安定的な継承に寄与す
ることを願ってやまない。

我が国の将来を考えると、皇位の安定的な継承を維持するためには、女性天皇・女系天皇への途を開くことが不可欠であり、広範な国民の賛同を得られるとの認識で一致するに至った

女性天皇・女系天皇賛成が常に7~9割賛成の世論調査結果をみても、20年前の認識は真っ当なものであると分かります。

さらに「今後、皇室に男子がご誕生になることも含め、様々な状況を考慮したが、現在の社会状況を踏まえたとき、中長期的な制度の在り方として、ここで明らかにした結論が最善」との文言は、「悠仁さままでは揺るがせにしない」として、安定的皇位継承への道を阻んでいる男系固執派へ、しっかりと釘を刺していたことになります。

将来、女性が皇位に即くこととなれば、それは、近代以降の我が国にとっては初めての経験」とは、男系男子限定の皇位継承は、近代・明治以降のことであり、近世・江戸時代までは女性が皇位に即いていたと示唆されている重要な表現。

まだ男系男子に固執している方々、特に国会議員は、ここを読み取れていないということになりますから、すでに8割以上に届けられている
「愛子天皇論3」で、しっかり学んで、秋の臨時国会に臨んでいただきたいと思います。

「愛子天皇への道」サイト運営メンバー まいこ

1 件のコメント

    mantokun

    2025年9月24日

    詳細な読解記事、ありがとうございます。改めて平成の有識者会議報告書の内容を振り返ってみると、女性天皇や女性宮家の提言だけでなく、実現した時の制度運用まで踏み込んで検討されていて、明らかに愛子さまのご即位を前提にしていたことが分かります。本当に、なぜここまで緻密に構築した報告書を放置し続けてきたのかと残念でなりません。
    特に、「今後、皇室に男子がご誕生になることも含め、様々な状況を考慮したが」と書いていたのですから、当時の有識者会議のメンバーには、秋篠宮家に生まれるお子様の性別には関係なく、今、皇室典範改正を実現しなくてはならないのだと強く主張していただきたかった。

    平成の有識者会議報告書が制度運用まで含めて検討していたことに比べると、令和の名ばかり有識者会議は、ただ伝統だから男系男子を維持すべしと主張しているだけで、実際にどう実現するのかについては全く考えていません。前回のDOJOでゴーさんが指摘していたように、旧宮家養子案は時限法なのか恒久法なのか、国民でいる間に特別養子縁組をしたらどうするのか、そもそも対象者がいないままどうやって養子を認める法案を作るのか、そして一体どこの宮家が養子に迎えるのか、敬称や住む場所、予算はどうするのかなど、検討しなければならないことは山ほどあるはずです。

    結局、男系派は女性天皇を認めたくなくて反対しているだけで、どうやって男系継承維持を実現するのかなんて何一つ考えてない。自称保守派は護憲左翼を批判することなど絶対にできない、全員頭お花畑の夢想家としか言いようがありません。

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