皇族方もご覧になる大河ドラマゆえ

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 NHK大河ドラマの時代設定は戦国・幕末・源平の3つが約9割を占めますが、「風と雲と虹と」(平将門&藤原純友:平安前期)と「炎立つ」(藤原常清~藤原泰衡:平安後期)との間を「光る君へ」(紫式部&藤原道長:平安中期:2024)が埋め、「八代将軍・吉宗」(徳川吉宗:江戸中期)と「花の生涯」(井伊直弼:江戸末期)との間を「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」(蔦谷重三郎:江戸後期:2025)が埋めました。しかし、古参の大河ファンからクレームが付いたのか、2026年は戦国回帰「豊臣兄弟!」、2027年は幕末回帰「逆賊の幕臣」、2028年は続けて幕末「ジョン万」ですから、2024~25年は真にチャレンジングな2年間だったと言えます。

 3つの時代が多くなる理由は凡そ想像が付きます。戦国期の「下克上」は企業内での出世物語に重ね合わせやすく、幕末期の「勝てば官軍」は企業内での賢い立ち回りに重ね合わせやすく、かつ動乱期の殺し合いをエンタメとして楽しみたいという動機もあるでしょう。ちなみに視聴者自身は絶対に殺したくも殺されたくもないはずです。過酷な運命に晒される主人公に同情しても最終的に他人事なのです。それは「皇室の物語を消費する国民」にあっても同様です。現行典範(男尊女卑における皇族方(特に女性)や改悪後の典範(男尊女卑度↑↑における養子候補が「生身の人間」であっても同様に他人事なのです。

 一方「光る君へ」「べらぼう」のような文芸大河は世帯視聴率(リアタイ◎の高齢層)よりも個人視聴率配信視聴率(リアタイ×の若年層)が伸び、特に若い女性は「光る君へ」を好んだようです。同作は権力者の道具にされる女子(詮子・定子・彰子…)の苦しみを描く一方で、宮廷内サロンにて文才を発揮する女子(清少納言・紫式部…)の活躍も描かれたからでしょう。つまり時代の趨勢は明らかに男尊女卑を拒絶する方向なのです。

 であれば、今さら豊臣秀吉側室:茶々・京極竜子・摩阿姫・甲斐姫…)の周辺を主人公とする大河などナンセンスと言わざるを得ません(※甲斐姫は君たちは~を参照)。つまり古参ファンは日本会議・神政連寄りとすら言えます。決定済みの「ジョン万」までは仕方ないとしても、2029年鸕野讚良皇女(持統天皇:多くの業績を残した女傑君主)を主人公とする大河ドラマ(時代設定は古代)が期待されます。勿論それは愛子様の立太子という時代状況を受けた形で制作されるべきです。

文責:京都のS

2 件のコメント

    京都のS

    2026年7月13日

     古代史の大河ドラマ「壬申大乱(仮)」は、斉明帝・天智帝・天武帝・額田王・十市皇女・高市皇子・大津皇子・大伯皇女・大友皇子・藤原不比等・藤原宮子・草壁皇子・阿閉皇女(元明帝)・氷高皇女(元正帝)・軽皇子(文武帝)・首皇子(聖武帝)…といった飛鳥~奈良期のオールキャストが躍動する物語になるはずです。斉明→天智、元明→元正の女系継承もガッツリ描かれるでしょう。

    京都のS

    2026年7月13日

     ふぇい様、掲載ありがとうございました。大河ドラマについていろいろ書いてきたので、これは総括編みたいなものです。
     「光る君へ」関連は「『光る君へ』から皇族女子の生き辛さを思う 33rd season」( https://aiko-sama.com/archives/47593 )のコメント欄に全てのリンクがあります。
     「べらぼう」関連は「恥を知れ!~粋・武士道・朱子学より」( https://aiko-sama.com/archives/64853 )のコメント欄に全てのリンクがあります。
     それから、「光秀偏愛」シリーズ(秀吉批判シリーズ)は「最高の伝統を初の革命で断ちたがるカルトシンパ」( https://aiko-sama.com/archives/73889 )のコメント欄に全てのリンクがあります。
     最後に、持統天皇が主人公のドラマを書いていただきたいのは「大仏開眼」「麒麟がくる」などを書いた池端俊策氏なのですが、池端氏の古代史ドラマ3部作について書いたのは「古代の女帝を描くドラマから皇統問題を考える」( https://aiko-sama.com/archives/8732 )です。

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