
明智光秀の母(牧)は若狭国守護・武田義統の妹だとされます。若狭武田氏は甲斐武田氏の分家の分家ですが、足利将軍家からの信頼が厚い名門であり、義統は義輝・義昭兄弟の妹を正室として迎えています。光秀は美濃源氏(土岐)と若狭源氏(武田)のハイブリッドということです。
さて、若狭国は日本海の水運と琵琶湖の水運を結ぶ交通の要衝ですが、若狭武田氏は義統の代から内乱が頻発し、越前国守護・朝倉氏からの干渉も続き、当主の義統が没する(1567)と嫡男・元明(明智光秀の従兄弟)は朝倉に従属しました(1568~)。ちなみに明智光秀が朝倉に身を寄せた時期は、長良川合戦(斉藤道三VS斉藤義龍:1556)で明智一族が離散してから、光秀が足利義昭を織田信長に仲介する(1567年)までの約10年間です。信長の第二次朝倉征伐(1573)で朝倉氏が滅亡すると、若狭国は信長の重臣・丹羽長秀に与えられ、武田元明は長秀の与力にまで身を落としました。
ところで、志賀郡を与えられた光秀(1571)は山城全盛の時代にも拘らず水城・坂本城(1572)を築いており、京と日本海を結ぶ琵琶湖の水運を重視していたことが判ります。これに対抗すべく羽柴秀吉は、水城・長浜城(1573)を築き、若狭国主となった丹羽長秀とも誼を通じ(※「尊皇エートス~2 ~」参照)、光秀の丹波・丹後平定(1579)後に丹後国を任された細川藤孝(嫡男・忠興は光秀の娘婿)にも接近したのでしょう(※「生き方が~」参照)。
やがて明智光秀が本能寺を急襲して織田信長を誅殺する(1582)と、零落の貴公子・武田元明は光秀に味方すると表明しますが、山崎合戦で光秀を討った秀吉は直ぐに元明を謀殺しました。これは元明の妻・京極竜子が絶世の美女だったからだとされ、後に竜子は秀吉の側室(松丸殿)として寵愛されました。ちなみに京極竜子は浅井長政の姉(洗礼名:マリア)と京極高吉との娘であり、兄の京極高次は光秀に味方したにも拘らず竜子の嘆願によって許され、近江国高島郡と大溝城(大坂で丹羽長秀に殺された光秀の娘婿・津田信澄の居城)まで与えられました(※「世が世なら~」参照)。
以上のように明智光秀の関係者を調べていくと、驚くほど羽柴秀吉や丹羽長秀の陰がチラつきます。それは恰も現代日本において皇室を論じる人々(尊皇ぶった男系固執派)を吟味すると、驚くほど韓鶴子(統一協会総裁)の陰がチラつくことと相似形なのです。
文責:京都のS
3 件のコメント
京都のS
2026年4月16日
ちなみに安土城も琵琶湖の内湖に囲まれた水城です。天守閣の最初は安土城だとされますが、最初は松永久秀の築いた多聞山城(大和)で、次が明智光秀の坂本城です。Lフロイスの『日本史』でも明智光秀が築城の名人として紹介されています。
でも、勝者史観では最初の天守は信長の安土城、最初の水城は秀吉の長浜城ということにされます。現在の皇室を守る戦も、負ければ勝者に書き換えられてしまうので絶対に勝たねばなりません。
京都のS
2026年4月16日
扉画像(白髭大鳥居)には説明が必要ですね。近江国・高島郡は津田信澄(織田信長の甥・明智光秀の娘婿)に与えられ、信澄は大溝城(設計は光秀)を築きました。白髭神社は大溝城に近接しているので扉画像に使いました。
京都のS
2026年4月16日
ふぇい様、掲載ありがとうございます。織豊期シリーズ(反時代的な光秀偏愛シリーズ)です(笑)。他は以下です。
・「ダンケーさん、寝返るなら今だと思いますよー(棒)」( https://aiko-sama.com/archives/53559 )・・・楠木正成論から明智光秀論に展開
・「豊臣家の諸問題から我々が学ぶべきこととは?」( https://aiko-sama.com/archives/65615 )・・・豊臣秀吉の周辺から皇室問題を考える
・「ダンケーさん、寝返るなら今だと思いますよー(棒) season2」( https://aiko-sama.com/archives/65949 )・・・筒井順慶からも皇室問題を考える
・「世が世なら討伐されて当然の御仁なれど…」( https://aiko-sama.com/archives/66567 )・・・津田信澄からも皇室問題を考える
・「生き方が熱かった頃の遺制は温(ヌル)い属国民には許されない!」( https://aiko-sama.com/archives/67774 )・・・細川忠興とガラシャからも考える
・「日本国と皇族方を追い込む卑劣漢どもを絶対に許すな!」( https://aiko-sama.com/archives/68767 )・・・荒木村重からも考える
・「高市早苗には100ヶ条ほどの折檻状が必要」( https://aiko-sama.com/archives/68981 )・・・佐久間信盛と荒木村重と松永久秀から考える
・「天正の宗教戦争と令和の皇統問題」( https://aiko-sama.com/archives/68987 )・・・知られざる上京焼き討ち事件から暴君討伐説へ
・「菊も刀も危うくする高市早苗は討伐対象では?」( https://aiko-sama.com/archives/68995 )・・・「本能寺の変」原因に新説「対外防衛説」!
・「大輪の花を蕾の段階で摘みたがる輩を討伐すべし!」( https://aiko-sama.com/archives/69318 )・・・明智光秀と妻木熙子の夫婦愛と珠の覚悟
・「民と共に在る天皇のエートスは血筋だけでは伝わらない」( https://aiko-sama.com/archives/69544 )・・・後奈良帝の写経と天台座主のクズぶり
・「トランプ支持者しか居ないなら『敵は永田町に在り!』だ」( https://aiko-sama.com/archives/69612 )・・・茶人(武器商人)のヤバさと朝鮮侵略
・「皇室を保守しない集団が『保守思想を体する』とはコレ如何に?」( https://aiko-sama.com/archives/69843 )・・・保守を体現する漢方医学と光秀
・「尊皇エートスを発現する政治家は応援すべし!season1」( https://aiko-sama.com/archives/69969 )・・・春日局は光秀から受け継いだ?
・「尊皇エートスを発現する政治家は応援すべし!season2」( https://aiko-sama.com/archives/70068 )・・・光秀=天海説と春日局の尊皇心
・「まずは150年前の男尊女卑から覆そうぜ!」( https://aiko-sama.com/archives/70193 )・・・帰蝶の不在から織豊史観と薩長史観を問い直す