竹田が自分を少数派であると認めたことが話題となっている、
産経新聞記事「神戸正論懇話会「日本の国体は天皇と国民の縁」 竹田恒泰氏」。
続々と「新聞社に意見投稿したよ!」というご報告をいただいております。
今回は、基礎医学研究者さんの意見投稿をご紹介します。
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10/19の産経WESTに掲載された「日本の国体は天皇と国民の縁」 竹田恒泰氏(神戸正論懇話会)に関する意見コメント
産経新聞さま
10月19日に掲載されました、上掲記事を読みました。
まず申し上げたいことは、つぎのことです。
産経新聞さまは新聞社で、その言説に社会的な責任を担っていると認識しております。
だとすると、以前9/22に掲載された産経WESTの記事[「男系天皇維持を」竹田恒泰氏が講演 和歌山「正論」懇話会]でも指摘(L.K註:こちらのブログで紹介しています)させていただきましたが、
竹田恒泰氏の言説は新聞で取り上げるのに、適当なのでしょうか(これは、事実関係の認識の怪しさとその論調がアジテーションに偏っていることを指摘しております)?
百歩譲って、産経新聞さまが週刊誌はオピニオン誌であるのならば、(このような言説を)話題先行で取り上げるということは、商業原則としてまだ分からなくもないのですが、貴社は新聞社なので、あえて申しております。
さて今回の記事では、竹田氏も「もし女系天皇が即位すれば「国民の一部が認めない天皇」になってしまうと指摘」とトーンダウンはしているので、さすがに周りからの事実関係への批判は無視できなくなってきたのだと思われます(いくつかの輿論調査では、国民の8割が「女性天皇(男系・女系問わず)」に賛成でございます)。
しかしながら、女系天皇が即位すれば天皇の地位に疑問が生じ、「日本の統治が揺らぐ」という主張に、大きな変化は見られません(その認識は、ご自身が述べられているように、「国民の「ごく一部」です)。
また、天照大神の直系であるニニギノミコトや神武天皇に触れながらも、天照大神が皇祖神であることにふれないのは、歴史学的にフェアでないと思います。
ただ、自分の理解が間違っていなければ、竹田氏が「男系で継承されていること」を直接言わないのは、さすがに自分の意見が過激で支持を得られないために、多少トーンダウンしているということなのだと思いますが、いかがでございましょうか?(少なくとも、記者さまのまとめを見ますと、 そのように理解できます)。
そして、[「いくつもの縁によって天皇と国民が結びついている、これが日本の国体だ」と述べ、安定的な皇位継承を訴えた]。唯一、この部分の結論だけは見るべきものがあります(「いくつもの縁」が何をさしているかは、私と認識が違いそうですが。私の認識は、「皇統は男女関係なく、直系で継承されてきた」です)。
最後になりますが、産経WESTは私も在住する西日本の方には読まれているデジタル新聞媒体であり、「皇位の安定継承」について貴社がどのような情報を発信されるかは注目されています。
「皇位の安定継承問題」については、幸いなことに皇統史や古代史の専門家で見識の深い論者(例えば、高森明勅や義江明子氏のような方)もおられるので、是非それらの方々の言説を採用され輿論を啓発されることを、今後、期待致します。
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敵方の言葉からも、流れが変わってきているのを実感できます。
皆さんの、政治家やメディアへの粘り強いアプローチも効果を発揮していることは言うまでもありません。
皆さんも、ぜひこの新聞記事に対するご意見・ご感想を新聞社宛に送ってみてください。
産経新聞
u-service@sankei.co.jp(東京)
o-dokusha@sankei.co.jp(大阪)
そして、この新聞記事を使った「論破させてクリ」も募集中です!
記事中にある竹田発言を自分で選んで論破していく、というスタイルです。
こちらもぜひ挑戦してみてください!
● この記事に対するその他の意見投稿
意見投稿:基礎医学研究者
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4 件のコメント
基礎医学研究者
2022年10月25日
コメントありがとうございました。ケケ田日記。うまいこといいますね(^_^)。確かに、そうかもしれないですね。こんなのを取り上げないといけないところに、記者としての良心と新聞の売り上げの商業主義との葛藤が感じ取れる気が。
ダダ
2022年10月24日
高森明勅氏や義江明子氏を紹介しているのがいいですね!
しかし産経新聞は頼りないというか、正直、今回の記事って竹田日記ですよね。
わざわざ発信する意味あるのかなと。
上層部に男系固執派がいて社会の公器たる仕事をさせてもらえないんだろうなと、前向きに同情していますが。。
基礎医学研究者
2022年10月24日
コメントありがとうございました。興味深く読ませていただきました。殉教さん言われるように、確かに、売り上げばかりを意識すると「社会の公器」からは外れてくるでしょう。でも、新聞の読者は、基本、週刊誌などと求めていることは違うハズ、と自分は信じますので、「両論併記」で読者が自分の頭で考える(それこそ、ひろゆきとは対極)が最終的には理想ですが、産経さんの場合、まずは読者をミスリードしないように、偏向を改めてほしいということが、あります。そのような意味で、ケケ田が講演でどんな放言を実際したのかはともかく、今回の記事の「まとめ」は、多少抑制が効いていたような気が。そして、殉教さんの結論には、激しく同意です(自分、まだ「ウクライナ戦争論」が読めていないのですが(;^_^A。地元の書店では、昨日(10/23)の段階で販売されていなかったもので)。
殉教@中立派
2022年10月23日
「経営が苦しいので、某団体に(商品を)まとめ買いしてもらおう」
という時代では、真っ当な商売の方が、困難を極めます。
ましてやその売り上げの為に、ゴシップ雑誌向けのネタを書き散らす新聞紙は「社会の公器」からは程遠いでしょう。コロナ騒動では、多くの新聞が「両論併記」を避けたため、たけし社長や私達が、声を挙げる必要がありました。基礎医学さんの書かれているように、そうした声で、偏向を「トーンダウン」させるのが、両論併記に近づく道でしょう。
「両論併記」を読んだ国民達は、自分の頭で考える事が必要ですが・・・そこから逃げ、ひろゆき的な結論に逃げてばかりの民が増えると「権威主義的な為政者」の思うつぼであり、権威主義国家への頽落もありえるでしょう。
「安倍さまを個人崇拝」する権威主義連中の前には、天皇の権威も霞んでしまいそうです。(皇室への)無関心との戦いには、「真っ当な権威」を見つめ直し、失われた「公」を取り戻すという要素も、入っていると思います。
(※)今日読んだ「ウクライナ戦争論」に影響された感想でスミマセン。