文字起こし 本日3月10日第三回全体会議後 立憲野田代表 馬淵議員 記者会見

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本日、第三回全体会議が開催されました。会議後の記者会見の模様を文字起こしでお伝えします。

天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果の報告を受けた立法府の対応に関する全体会議(令和7年3月10日) 出席者、会議の概要 

「皇族数確保のための第2案『皇統に属する男系男子を養子に迎えること』」に対する各党・各会派の意見の要点

馬淵議員:本日、第三回の安定的皇位継承に関する検討会の全体会議が行われました。

今日はですね、前回が女性皇族の婚姻後の配偶者と子の身分付与の議論でありましたが、今回は旧11宮家男系男子の養子案についてということであります。これにつきましては玄葉副議長の司会のもと、まず第一党として自由民主党から発言がありました。そしてその次に私どもが発言をさせていただきました。
今回は全体会議、12会派揃っていますので、大変時間もかかりますから、議事の整理のためにも、大変僭越ですが、四点、議事整理のための項目をお伝えさせていただきました。

まず1つ目は、今回の有識者報告書については立法事実(ある法が存在する合理性の根拠となる社会的事実・対象が存在することで法律は作られる)の欠如。このことについて、しっかりと確認をしていただきたいということ。そして2つ目は、憲法の適合性、疑義について。これについても確認をしていただきたいということ。そしてもう1つが先例との整合性です。そして最後に4つ目が事実上の不都合ということで、これら4点について整理をしてくださいということで、私どもの考えを述べました。

1つ目の立法事実の欠如に関しては、そもそも11宮家の男系男子の子孫という方が、該当者がいらっしゃるのか、その意思は如何なるものなのか。これについては政府は、質問趣意書の答弁を見ましても、「確認していない」という答弁を出されています。内閣委員会での質疑でも、官房長官からも同様の答弁をいただいてますので、確認ができていないという状況であるということ。すなわち立法事実が分からない。

そしてさらにはですね、当然ながら意思の確認もできてないわけですが、また深めて言えば、旧11宮家男系男子の子孫に当たる方、これをどこまで広げていくのかということについても、詰めていないです

また旧11宮家男系男子以外の皇統に属する方と考えられる方、そこに広げるのかということについても、有識者会議報告書の中には検討した形跡がないということでありまして、やはりここは立法事実を1つ1つ丁寧に定めていかないと、法制度を作れ作れと言っても何1つ、事実関係が分からない中では作れないではないかということを繰り返し申し上げました。

②そして2つ目に、順番ちょっと間違えましたけど、先例の整合性です。これについても申し上げたところです。過去において、これも様々、事実関係を確認しましたところ、過去において、臣籍降下、すなわち昔の時代でありますから、国民と称するか別としましても少なくとも、国民という状態の中で養子によって皇族となった方というのは存在いたしません。過去あったものといえば臣籍降下すなわち皇族であった方が皇族でなくなった場合に、その方々が何らかの理由で、また再び皇族に戻るというのがありましたけれども、あくまでもこれは皇族であった方が皇族に戻るのであり、一般国民である方が養子になった例ではございません

このように、過去の事例から見ても、先例にないことをするべきではないというご意見を前回、複数の党会派から頂いたんですが、この養子案というものが、そもそも先例にないものであるということを申し上げました。

加えて申せば、先例というのは、その時代時代に合わせて変わってきています。これも旧憲法下におきましては、一般国民とされた女性が、結婚された場合、婚姻後は皇族になるという、これも過去になかった例ですし、また側室という制度も、これは現時点においてはなくなりました

つまり時代に合わせて、このように先例というものというのは、どんどんと制度が変わっていくんだということで、それこそがまさに開かれた、これからあるべき皇室の姿ではないかということを申し上げたところであります。

③そして3点目の憲法上の疑義に関しましては、これはもう重要なところでありまして、いわゆる旧宮家11宮家の男系男子を皇族にするという案での養子というのは、14条1項の平等原則違反に当たるのではないかという。

この点につきまして内閣法制局は、従来通りの答弁で、「これについては憲法上の疑義はない」という風に述べられましたが、衆参の法制局では「明らかにここは、憲法上議論の分れるところである」と、このように述べられました。衆議院参議院共に14条1項の違反に該当する恐れがあるということで、ここは大きな問題だという風に捉えています。

④そしてもう1つは、この14条1項に同じく該当するんですけれども、旧11宮家に限定するということが皇統に属するという中で他の男系男子の方がいらっしゃる場合には、この旧宮家を選び取るということ自体が、いわゆる平等原則違反だということで、これにつきましても疑義が残るということを、衆参の法制局長が明確に述べられました。従って私たちは、この部分についても何ら整理がついていないということを申し上げたところであります。

以上のようなところで、最後に副議長にも申し上げましたが、こうした問題点について十分な議論がなされないまま、大枠の制度を早く作れという声もありましたので、それは拙速に過ぎないのかと。
やはり国民に開かれた議論を重ねていくということにおいて、まだまだ十分ではないということを申し上げて、会は終了したというところであります。以上、経過のご報告です。

それではご質問に移ります。ご質問のある方は挙手の上、社名お名前からお願いいたします。

時事通信:先ほど、冒頭、発言の中でこうした「大枠の制度を早く作れ」という議論があったということですが、これは立憲の意見に反論する形で他会派が?

馬淵議員:そうですね。立法事実もないではないかとか、私は憲法上に疑義があるのではないかとか、様々な問題点を指摘してきたわけです。先例とも合致しないということも含めて。

でも、立法事実のところを特に反応されたと思うんですけれども、「それを確認することは難しいんだ」ということで、「それよりも大枠の制度をまず作っていくことだ」と。「その上で意思確認なり、行っていくべきだ」というお話でした。

ただこれは、先ほど来申し上げるように、対象者も確認できない、いらっしゃるかどうか分からないところで制度なんて作りようがないですから、やはりここは私は立法事実のない法制化というのはありえないと思っておりますので、その点については、何度かやり取りをさせていただいたところです。

時事通信:確認ですが、どこの会派からそうした意見が?

馬淵議員:複数でしたね。

野田代表:元々、でも自民党が最初の意見陳述をする時に、まずは制度として作る意義をお話しされました。で、その後の馬淵さんとやり取りの中で、他党からもそういう意見がありましたけれども、ザクっと言うと、立法事実の確認ができないというのは、今、例えば養子縁組というのは皇室典範で認められてないことじゃないですか。だから違法なことを「あの、あなたその意思ありますか?」という確認することはできないみたいな説明をしていました。

時事通信:今後の日程ですとか、スケジュール感について何か決まったことは?

馬淵議員:いえ、決まっていません。今後に関しては、また四者で協議の上、連絡するという風に言われました。

東方通信:冒頭の説明を聞くと、かなり論点というか、論点が多岐に渡って、結構、溝っていうのも、一見すると我々からすると深いのかなと思いますけれども、今回の今日の全体会議の意義ですとか、その進捗について感想といいますか、この辺りはどうですか?

野田代表:まだまだ論点てんこ盛りで、若干の意見交換ありましたけど、それで整理されて新しい段階に入ったという感じはしませんでしたね。まだまだ議論が必要なんではないかと思いました。

馬淵議員:前回今回と、このテーマに絞ってということでしたので、そういう意味ではあの我々も、明確にここは詰められていないんだということを繰り返し発言して指摘することができましたので、良かったと思います。今までは言いっ放しの、かなり幅広い意見で終始してましたので、そうではないところに集約されていくのではないかと思いますが、今、代表がおっしゃったように、まだまだこれからだという風に思っています。

東方通信:重ねてなんですけど、今後の進め方については、四者、衆参正副議長で検討されるということですけれども、立憲さんとして、今後どのように進めていくべきかという考えは?

馬淵議員:第1のテーマ、婚姻後の女性皇族として残った後の身分の付与という話がありましたけれども、配偶者と子の身分の付与という、これについても、まだ不十分なんですね。

また今日の11宮家男系男子の養子案についても不十分ですから、少なくとも、もう1ラウンドはこの2つのテーマで、まだ議論をしなきゃならないと思ってます。なので四者の中で、まだこの部分が不十分だというところを整理していただいて、またお声がけをいただけるものと私は思っています。

毎日新聞:元々始まった際に、額賀議長が、今国会中に一定の結論を得たいというようなことを仰っていたかと思います。ただ、今現状で、かなり論点が見えているというか、解決してる方向に向かってるというよりは、むしろ鮮明に違いが出てきてる段階なのかなと思いますけれども、今国会中に結論というところで、まとまるかどうかという展望について。

馬淵議員:頻度と密度を高めていくってことだと思いますね。議論の中身を詰めていく。また多数回、これはやはり重ねていくしかないと思います。(安定的皇位継承についてはここまで)

先例にないことをするべきではないというご意見を前回、複数の党会派から頂いたんですが、この養子案というものが、そもそも先例にないものである」で言及された複数の党会派は、第二回全体会議においては、自民党、維新の会、有志の会、参政党、N党

「女性皇族の婚姻後の配偶者及び子の身分について」2月17日第二回全体会議 議事録読み①

「女性天皇の議論を何故しないのか」・「男系男子は素晴らしい価値」2月17日第二回全体会議 議事録読み③

「変化に対応できるものだけが生き残る」「男系男子に限る議論がこの時代にできるのか」2月17日第二回全体会議 議事録読み⑤

時代に合わせて、このように先例というものというのは、どんどんと制度が変わっていくんだということで、それこそがまさに開かれた、これからあるべき皇室の姿

天皇陛下の御誕生日のおことばを鑑みた見事な言説です。

天皇陛下お誕生日に際し(令和7年)
皇室の在り方や活動の基本は、繰り返しになりますが、国民の幸せを常に願い、国民と苦楽を共にすることだと思います。また、時代の移り変わりや社会の変化に応じて、状況に対応した務めを果たしていくことが大切であると思います。

今回も馬淵議員は八面六臂の活躍だったようですね。熟議と公開の議論が、はやく
愛子さま立太子」実現に繋がる男尊女卑の皇室典範改正に繋がりますように。

「愛子天皇への道」サイト運営メンバー まいこ

9 件のコメント

    まいこ

    2025年3月12日

    皆さま、コメントいただきありがとうございます。
    そして大須賀さん、笹先生、ブログで取り上げていただき感謝いたします。

    「静謐な環境」で各党会派の意見が出されていただけだったのが、ようやく各論点についての意見交換が行われるようになった段階、まだ議論にも至っていない。馬淵議員の八面六臂の活躍が実を結び、第四回以降は、議論として形を成すように願います。

    笹先生がブログに書いておられたように、倉持先生に第二回全体会議の議事録、法制局等の答弁について、解説をいただけると有難いです。官僚文学とよく言われますが、国民が読んでわかる文言で答弁しなければ、国家公務員としての役目を果たしていないと思います。

    SSKA

    2025年3月11日

    馬淵氏の果敢な奮闘ぶりに敬意を表します。
    保身の為に法規範を歪めてでも政府に近付けた答えを出そうと官僚達も必死ですけど、時代も価値観も違う数百年前の血筋を頼りに80年近く前に離れた人やその子孫を皇室の一員にするのは国民の中に血統の優位性を認めて憲法14条違反の法律を作る事になり、幾ら何でも無理が生じると言う事なんでしょう。
    しかし一方で天皇の娘が身分を維持したまま、国民男性との間にお子様が生まれた場合に他の国民との区別が一切生まれない様な第二回の見解によって14条の平等を当て嵌めるのは常識的にどう考えても無理がありますし、何れについても馬淵氏が述べられた通り現実の人間社会に即した法制度でなければ意味はありません。

    現状気掛かりなのは衆参の正副議長で纏まっているとされる悠仁様まで揺るがせない方針について、これも現在の会議のベースである2017年附帯決議に何も無い以上、男系派政府が勝手に誓っている努力目標でしか無いものを国会の総意を未だ得ぬまま勝手に決まった事の様に扱うのがおかしいんですよね。
    選挙対策やその為の議員の都合で決めず、憲法と法律を基に正しい筋道が立てられ、国会の結論が導かれる事に期待し、お二人を応援したいです。

    突撃一番

    2025年3月11日

    衆参両院の法制局が、憲法14条の問題について「意見の分かれる所である」と答弁してしまった時点で、旧宮家プランは即刻廃案だろ!!

    天皇は「立憲君主」なんだ。
    国民の脳裏に僅かでも、「違憲皇族」の疑いを持たれるような制度なんか、皇室と国民との信頼関係を破壊する行為でしかない!!

    ダダ

    2025年3月11日

    立民は、安定的な皇位継承の論理として必然の結論となる愛子天皇を強く打ち出すべきです。
    世論は絶対に二分しないし、党内の反対派は国民の総意を無視できるほどの代替案を持っていません。

    立法事実がないまま、制度化を進めようとする出来損ないの議員は、どこの誰なのか、、、議事録を待ちます。

    ありんこ

    2025年3月10日

    文字起こしありがとうございます!!!

    れいにゃん

    2025年3月10日

    文字起こしありがとうございます。
    会議後の記者会見動画から程なく、立憲民主党のHPでも取り上げていました。
    https://cdp-japan.jp/news/20250310_8931
    リンク先のYouTube動画は、当初日付を間違えていたり、情報を早くあげようとしていた様子で、立憲民主党は国民の関心の高さを受け止めているように思いました。「明確にここは詰められていないんだということを繰り返し発言して指摘することができました。」という馬淵議員、いい笑顔です。第三回も議事録が早く出ますように。

    ゴー宣ファン

    2025年3月10日

    文字起こし、連日ありがとうございます!第二回全体会議議事録も出ていたのですね。会派毎に色分け頂いて、コメント(解説)も添えて下さって分かり易いです。これだけの仕事を本当にお疲れ様です。

    サトル

    2025年3月10日

    もうね、タイトルが素晴らしく。
    文字起こし「だけじゃない」…とこが、このタイトルに出ていて、本当に素晴らしいです!

    こん

    2025年3月10日

    大車輪の活躍ですね、馬淵議員。救国の士です。
    旧宮家案はダンケーの切り札ですので、この案を潰せば愛子天皇の現実味がグッと近づいてくると思いました。特に、衆参両方の法制局から疑義を勝ち取ったのはデカいです。第2ラウンド、すぐにやってほしいです。

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