愛子さま御即位を前提 平成の有識者会議報告書読み③ Ⅲ-2皇位継承順位 Ⅲ-3皇族の範囲【論点 女性天皇議論の20年 毎日新聞】に意見を!

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毎日新聞が「論点 女性天皇議論の20年」という記事を報じ、当サイトでも基礎医さんが紹介しています。

2005年、小泉純一郎首相(当時)の下で、有識者会議が女性・女系天皇の容認を柱とした報告書をまとめた。それから20年がたつが、典範の改正などには至っていない。このような状況の中、読売新聞が今年5月、安定的な皇位継承のため、女性・女系天皇を排除しないなどの対策を提言した。議論は結実するのか。

記事の冒頭で取り上げられた報告書、「皇室典範に関する有識者会議 報告書」によって、すでに20年前の2005年に安定的皇位継承のための最適解は出ています。

当サイトは、先の国会における全体会議の議事録読みとともに、読売提言の直前から「皇室典範に関する有識者会議 報告書」読みを①、②と進めていました。

秋の臨時国会を前に、改めて少しずつ読み進めてみました。

「皇室典範に関する有識者会議 報告書」平成17年11月24日(〔参考)などはPDFでご確認ください)

2. 皇位継承順位
《歴史と現行制度》〔参考23〕
皇位継承順位については、明治典範制定までは明文の規定はなく時代時代
の社会情勢、価値観等に応じて様々な形
がとられてきたが、歴史全体の流れと
しては、直系継承へと向かい、直系継承が伝統の軸となっていった。皇位継承
をめぐっては、歴史上、種々紛争も生じているが、皇統に属していることを不
可欠の条件とした上で、母親の血筋、先例等によって、その即位の理由が説明
されてきた。
明治典範において、初めて、明文の皇位継承順位が定められ、基本的にはこ
れを踏襲した現行典範の制度に至っている。
現行制度は、皇位継承資格を男系男子皇族に限定した上で、継承順位として
は、まず天皇の子など直系子孫を優先し、天皇の子孫の中では年齢順に、長男
とその子孫、次男とその子孫…の順に優先
し、次いで近親を優先するものであ
る。なお、明治典範との違いは、現行典範が、明治典範で認められていた非嫡系
継承を否定
したことに伴うもののみである。
この順位の考え方は、天皇の子など直系子孫に皇位が継承されることが歴史
的にも多数を占めており、国民に受け入れられやすいこと
、その中では年齢順
を基準とすることが分かりやすく、世襲の在り方として自然であることなどを
理由とするものである。

天皇の子など直系子孫に皇位が継承されることが歴史的にも多数を占めており、国民に受け入れられやすいこと まさに
愛子さまのことですね。

(1) 皇位継承順位の設定方法
皇位継承資格を皇族女子や女系の皇族に拡大する場合、現行制度との
連続性等も勘案すると、皇位継承順位の設定には以下のような方法が考
えられる。〔参考24〕
① 長子優先の考え方
男女を区別せずに、現行の継承順位の考え方を適用して、天皇の直
系子孫をまず優先
し、天皇の子である兄弟姉妹の間では、男女を問
わず長子を優先する考え方
② 兄弟姉妹間で男子優先の考え方
①と同様に、まず天皇の直系子孫を優先した上で、伝統的に男性の
天皇が圧倒的に多く、国民は天皇が男性であることになじんでいる
という認識の下に、天皇の子である兄弟姉妹の間では男子を女子に
優先する考え方
③ 男子優先の考え方
現在、男系男子のみが皇位継承資格を有することから、直系子孫を
優先することよりも男子を優先することを重視し、まず、皇族の中
で男子を優先した上で、その後に女子を位置付けることとし、男子、
女子それぞれの中では、直系、長系、近親を優先する考え方 – 12
④ 男系男子優先の考え方
③において、「男子」に替えて、「男系男子」を優先する考え方

(2) 直系優先の原則と男子優先の原則
上記4つの考え方の中では、①、②が、天皇の直系子孫をまず優先す
るものであるのに対し、③、④は直系、傍系を問わず、まず男子又は男
系男子を優先するものである。
この点に関しては、
• 皇位継承の在り方としては、過去から現在まで伝えられてきた皇位
を将来につないでいくことが重要であり、この過去から将来への連続
を象徴する形として、親から子に、世代から世代へと伝わる直系継承
が最もふさわしい。
国民の側から見ても、親から子への継承が最も自
然なものと認識される。
• 皇位継承者は、天皇の役割を継承する存在であり、天皇の身近で生
まれ、成長された皇族であることが望ましい。

• 皇位継承資格を嫡出子に限定する制度や少子化という状況の下で
は、直系子孫の中に男子が不在という状況は決して稀なことではなく、
③、④の制度をとると、傍系の継承により天皇の系統が比較的頻繁に
移転する結果となることが想定される。その場合、お代替わりにより
従前の継承順位が変動するなど複雑な制度となり、また、皇位の安定
性という意味でも好ましくない。③の制度の場合は、母親よりもその
子(男子)の方が継承順位が上位になることとなり、世襲の在り方と
して不自然である。
〔参考25〕
伝統的にも直系継承が多数を占めている。
ことなどから、まず、直系を優先する制度、すなわち、①「長子優先」
又は②「兄弟姉妹間男子優先」が望ましい。

(3) 「長子優先」と「兄弟姉妹間男子優先」
皇位継承順位については、国民が、将来の天皇として、幼少時から、
期待をこめてそのご成長を見守ることのできるような、分かりやすく安
定した制度であることが求められる。そのことは、ご養育の方針が早い
段階で定まるということにもつながる。
このような観点から、「長子優先」と「兄弟姉妹間男子優先」とを比較
すると、「兄弟姉妹間男子優先」の場合、男女の出生順によっては皇位継
承順位に変動が生じ得ることとなり、国民の期待やご養育の方針が定ま
りにくいという結果をもたらす。これは、長子たる女子(姉)の後に男
子(弟)が誕生した場合、弟が姉よりも先順位となることに由来するも
のであり、このことは、現行制度のように皇嗣(皇位継承第1順位者)
たる皇子を皇太子とすると、皇太子が交代する事態が生じ得ることを意
味するものである。〔参考26〕
しかも、兄弟姉妹間に生じ得る年齢差を考えると、このような不安定
な期間が相当程度継続することがあり得ると考えなければならない。
これに対し、「長子優先」の場合、出生順に皇位継承順位が決まること
から、制度として分かりやすく、また、国民の期待やご養育の方針も早
期に定まるという点で優れている。

国民が、天皇が男性であることになじんでいる面はあるとしても、以
上のような意味での安定性は、最大限に尊重されることが望ましい。
したがって、天皇の直系子孫を優先し、天皇の子である兄弟姉妹の間
では、男女を区別せずに、年齢順に皇位継承順位を設定する長子優先の
制度が適当
である。

男系男子優先は、「兄弟姉妹間男子優先」であっても皇位継承が不安定になることが示されています。

3. 皇族の範囲
《歴史と現行制度》〔参考27、28、29〕
7世紀末~8世紀初に成立した律令においては、天皇の4世の子孫までが皇
とされていたが、実際の運用においては、奈良時代後半以降、次第に、天皇
の子であっても皇族でなくなったり、また、世数にかかわらず皇族となったり
するなど、弾力的な取扱いがなされるようになった。
明治典範においては、天皇・皇族の子孫は世数を問わず皇族となる永世皇族
が採用された。その後、明治40年の明治典範増補により、皇族の規模を調
整する必要性を背景に皇籍離脱制度
が設けられるなどの制度の整備が行われ、
現行典範に至っている。

現行典範の皇族の範囲の考え方の概要は以下のとおりである。
○天皇・皇族の嫡出子及び嫡男系嫡出の子孫並びに天皇・皇族男子の配偶
者を皇族
とする。
○天皇・皇族の嫡男系嫡出の子孫は、世数を問わず皇族とする(永世皇族
制)。
○ 2世までの皇族男子を親王、皇族女子を内親王とし、3世以下の皇族男
子を王、皇族女子を女王とする。
内親王・女王は、天皇・皇族以外の者との婚姻により、皇籍を離脱する。
皇太子・皇太孫以外の親王はやむを得ない特別の事由により、また、内
親王・王・女王は、その意思に基づき、又はやむを得ない特別の事由に
より、皇籍を離脱
する。これらの離脱に際しては、皇室会議の議による
ことを要する。
○ 天皇・皇族は養子をすることができない。
皇族以外の者は、女子が天皇・皇族男子と婚姻する場合を除き、皇族と
ならない。

皇族の規模を適正に保つための仕組みについては、現行制度では、その範囲
を法制度上限定することは困難という判断により、永世皇族制をとりつつ、皇
籍離脱制度の運用により、皇族の規模を調整するという考え方をとっている。
その際、上記の「やむを得ない特別の事由」による皇籍離脱には、規模調整の
ための離脱が含まれると解されている。
また、皇統が乱れることや国民と皇族との区別が曖昧になり混乱が生じるこ
となどを避けるという明治典範の考え方を引き継いで、皇族になる場合を、天
皇・皇族からの出生及び天皇・皇族男子との婚姻に限り、養子の禁止等
を定め
ている。

(1) 皇族の範囲の考え方
皇族制度は、世襲による皇位継承を確保するとともに、一定の場合、
皇の国事行為を代行するなど天皇の活動を支えるため、天皇の親族を皇族
とし、制度上、一般の国民と異なる地位
とするものである。皇族の範囲に
関しては、皇位継承資格者の安定的な存在を確保することを大前提にしつ
つ、皇族は特別な地位にあること、財政的な措置が伴うこと、皇族の規模
が過大となった場合には皇室としての一体性が損なわれるおそれがあるこ
と等の見地から、皇族の規模を適正に保つことが求められる。女子や女系
の皇族に皇位継承資格を拡大した場合においても、このような要請を満た
す制度とする必要
がある。

(2) 永世皇族制と世数限定制
現行制度では、皇族女子は天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇
族の身分を離れることとされているが、女子が皇位継承資格を有すること
とした場合には、婚姻後も、皇位継承資格者として、皇族の身分にとどま
り、その配偶者や子孫も皇族となることとする必要がある。

その場合、将来的に皇族の数が相当程度増加する可能性もあるため、天
皇と血縁の遠い子孫から皇族の身分を離れるという考え方の下に、一定の
世数を超える子孫を一律に皇族でなくする世数限定の制度をとることも考
えられる。しかしながら、世数限定の制度をとった場合には、歴代の天皇
や天皇の近親の皇族に、一定数の子が安定的に誕生しなければ、皇位継承
資格者の存在に不安が生じることになるため、現在のような少子化傾向の
中では、世数限定の制度を採用することはできない。このため、現行制度
の考え方を踏襲して、天皇・皇族の子孫は世数を問わず皇族の身分を有す
るいわゆる永世皇族制を前提にした上で、その時々の状況に応じて、弾力
的に皇籍離脱制度を運用することにより、皇族の規模を適正に保つことと
することが適当である。〔参考30、31〕
なお、現在の皇族女子については、婚姻により皇籍離脱する現行制度の
下で成長されてきたことにも配慮
が求められる。その際、世数、皇室の構
成等も勘案する必要がある。
(3) 皇籍離脱制度
皇籍離脱制度については、現行制度では、親王は意思による離脱ができ
ないのに対し、内親王は、王や女王と同様、皇室会議の議により、意思に
よる離脱ができる
こととされている。これについては、女子も皇位継承資
格を有することとする以上、親王と内親王とを区別する理由はないこと、
親王・内親王と王・女王との間では、皇籍離脱の条件等に差が設けられる
べきであることから、内親王に関する制度を親王に関する制度に合わせ、
共に意思による離脱ができないこととすることが適当である。
また、やむを得ない特別の事由があるとき、皇室会議の議により、皇籍
を離脱する制度については、現行制度と同様、親王、内親王、王、女王す
べてについて可能とすることが適当である。現行制度では、皇太子及び皇
太孫については、やむを得ない特別の事由による皇籍離脱制度が適用され
ていない
が、今後は、女子の皇太子及び皇太孫についても、同様の制度と
する必要がある。
親王・王が皇籍離脱する場合等の配偶者や直系卑属等の離脱の制度は、
内親王・女王の離脱の場合等もこれと同様の制度となるよう見直しを行う
必要がある。
皇籍離脱制度により皇族の規模の調整を行う場合には、以下のような点
に配慮し、円滑な運用を図る必要がある。
• 若年の皇統に属する皇族の数を目安として、将来における皇族の規模
の適正化という観点から、離脱の要否を判断する。
• 原則として世数の遠い皇族から離脱する。
• 離脱の決定は、当事者の将来予測を可能にするため、適切な時期に行
う。

現行の規定は皇籍の離脱について「皇室会議の儀」によるとされているところ、立憲・野田代表は「女性皇族の配偶者と子の身分」についても「皇室会議の儀」による提案をしていたようです。

現行制度では、皇族女子は天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れることとされているが、女子が皇位継承資格を有することとした場合には、婚姻後も、皇位継承資格者として、皇族の身分にとどまり、その配偶者や子孫も皇族となることとする必要がある。

夫と子も皇族に読売提言が、やはり平成の有識者会議の報告を踏まえていたことが良く分かりますね。改めてこの報告書を冒頭から取り上げた毎日新聞にも、意見を送りたいと思います。

*オピニオンへの意見・コメント情報は、こちらのアドレスへ。
opinion@mainichi.co.jp

「愛子天皇への道」サイト運営メンバー まいこ

2 件のコメント

    基礎医学研究者

    2025年8月30日

    自分も、まいこさんが示された方法で、オピニオンに意見コメントしました。
    毎日新聞は、読者の声を聞いて、皇位継承問題に対するスタンスも、より強くなってきていますね。いずれにしても、皇位継承問題の関心が持続しているのは、良い傾向
    。ご参考までに。
    —————–
    8月29日(金)朝刊の10面に掲載された、「論点 女性天皇議論の20年」を読みました。まず、国会が開かれる前のこのタイミングで、皇位の継承議論を国民が望んでいることを伝えた意義は大きく、全国紙としての毎日新聞さんの役割は、いつもながらすばらしいものがあります。自民党により先の与野党協議における「皇族数確保」の議論が中断されましたが、実際には国民の関心は継続され、皇位の安定継承に向けた制度をきちんと作らないと「皇室の存続」が危機であることを、読者に問うている!と私は思いました。
     さて、小田部雄次さんの「男系継承という原則は明治以前は明文化されておらず、古代において女系継承を研究している専門家もいる」として、「男系優先、女系付加を論じるのは学問的根拠を欠いている」というのは、非常に説得力を感じます。また、多賀幹子さんが、「長子優先は世界の潮流」として「できる限り早く女性・女系天皇を認める制度へ変更すべきだ」というのは、皇室の危機という現実をよく見据えた意見かと思います。そして、この2識者は、愛子さまという天皇・皇后両陛下のお子さまがいらっしゃるという現実を意識し、皇室に寄り添う意見をよく表現されていると、私は思いました。
     一方、百地章さんの意見を載せた毎日新聞さんの判断は、“大英断”かと思います。私は、この意見に同意できる点は1つもありませんが、「男系の皇統を護持する」という本来の皇室の歴史や国民感情からかけ離れた意見を開陳されたのは、百地さん(および、男系維持といっている方々)の意見が、いかに現実から遊離しているドグマ(教条主義)に基づくのかが、よくわかります(生まれながらの国民のはずの旧宮家の子孫と言う方々を「皇室とは無縁な民間人とは異なる。よく説明すれば理解が得られるはずだ。」というのも、私に言わせれば「憲法違反」以外の何物でもない)。思想・信条以前に、こういう考え方に「皇室の存続への危機」という視点は欠けているだろうことが、読者に明らかになったと思われます。
     最後に、繰り返しになりますが、この時期に毎日新聞さんが論点で「皇位継承問題」の記事を掲載した意義は大きく、多賀さんの言葉を借りますと「メディアには自分たちの立ち位置を鮮明にし、世論形成をサポートする役割がある。」ということをきちんと実践されていることに、敬意を表します。 

    ありんこ

    2025年8月30日

    男系男子派の言う「安定的皇位継承」は安定的なものではないと既にちゃんと言われているんですよね。
    これを踏まえれば、上皇陛下の仰られた安定的皇位継承がどのようなカタチなのか分かりきったものなんですがね。まーあえてワカラナイーイッテナイーしてるんでしょうけど。

    女帝女系もいいと何となくしている人やメディア側にどうも力不足を感じるのは、この辺の力強さを見つけられていないって事なんでしょうかね。
    国民が女帝女系OKを望むのはワガママと思い、男系男子を望むのもワガママと見るならば、よりえぐいワガママが通ってしまうんでしょうね。

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