市井の尊皇攘夷派が立つべき時では?

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 ドラマ「大奥」は、若い男子だけを殺す「赤面疱瘡」という奇病の蔓延で男子が激減し、それゆえ大奥も男女の立場が逆転(女将軍のために若い男子が集められている)している設定です。「season2~幕末編」の11月21日放送回も印象的な展開でした。

 13代将軍の徳川家定(愛希れいか)と御台所の胤篤(福士蒼汰)は阿部正弘(瀧内久美)が目指した政治体制を望み、それは家格や身分に拘わらず人材を取り立てる行き方でした。家定は御台との語らいの中で「西洋の国々は確かに強い…しかしどこも主たるは男、女の力は認めぬと言う…実は私はここが勝ち目だと思うておる…女子にも力のある者は大勢おる…身分、さらに男女の別も無く人を取り立てるとなれば、倍の中から人を取り立てられる…さすれば西洋に負けぬ強い国を造り上げられよう」と言います。つまり「赤面疱瘡」による男子激減という「男女逆転大奥」の最重要設定は「女性の地位向上」に繋がっていき、そこが目標だと察せられます。さらに、「倍の中から皇位継承者を選べる制度」(女系継承を公認する皇室典範改正)にも示唆を与えています。

 以後の展開は、勝手に通商条約を結んだ井伊直弼(津田健次郎)が孝明天皇の怒りを買い、帝に焚き付けられた攘夷派(水戸・薩摩・長州)が直弼を突き上げたため、安政の大獄(攘夷派の粛清)から桜田門外の変(直弼殺害)へと事態は動きました。

 ここで「尊皇攘夷」という言葉の可笑しさにも触れておきます。まず尊皇と攘夷は全く無関係な概念であり、対立勢力とされた佐幕や開国にも混乱が見られます。これらを整理するなら、開国VS鎖国、攘夷VS非戦、倒幕VS佐幕、そして尊皇の相手は非尊皇でしかありません。つまり各陣営の立場は、幕府:非戦・鎖国→開国、水戸:攘夷・鎖国、朝廷:攘夷・鎖国→開国、薩長:攘夷・鎖国→開国ですが、尊皇だけは各陣営に共通していました。翻って現在は、反天左翼:非尊皇(皇室廃止)・非戦(自虐史観&従米)、自称保守:非尊皇(男系固執)・非戦(反日カルト放置&従米)が政治の二大勢力です。誠に憂慮すべき事態であり、故にこそ市井の尊皇攘夷派が声を挙げるべき時だと言えましょう。

文責:京都のS

「時処位の変化と制度改革」( https://aiko-sama.com/archives/32084

「我が身だけが大事な「ザ・保身派」こそ撲滅すべし!」( https://aiko-sama.com/archives/31282

「伝統と因習の間~男女逆転大奥より」( https://aiko-sama.com/archives/22776

6 件のコメント

    京都のS

    2023年11月24日

     そうそう、11月24日・25日にはコレを読んでいただきたいです。「三島由紀夫の女系公認論」( https://aiko-sama.com/archives/25370 )です。

    京都のS(サタンのSでも飼い慣らすし)

    2023年11月24日

     本日も1本載せていただけるようです。「フェルマーの最終定理」が題材です。ドラマ「フェルマーの料理」とは無関係です。ちなみに私は早い段階で「~の料理」から脱落しました。小芝風花が出ていましたが。小芝風花と言えば、1月期のドラマに「大奥」(男女逆転じゃない正規の大奥、亀梨和也×小芝風花、フジ)があります。よもやフジが男尊女卑復権を狙っているのでは?と警戒しています。

    京都のS

    2023年11月24日

     reinyan様、ありがとうございます!!「男系固執脳と国民主権病の併発」は男女とも、そして「男系固執脳と名誉男性症候群の合併」は女性のみですね(笑)。
     「外圧で女性天皇を実現できるのでは?」と妄想するグローバリスト(世界主義者)は、欧米列強様から「皇族の人権を蹂躙する天皇制をキャンセルしろ!」と命じられれば、和製か真正かに拘わらずリベラル勢力は「反転可能性を働かせれば皇室は廃止すべき」的なことを100%の確率で言い出しますよ。
     やはり「令和尊皇論」と同時に「令和攘夷論」が必要です。

    reinyan

    2023年11月24日

    一部の男女しか罹らない「男系固執脳・合併症は国民主権病」
    が正確ですね。解かりやすく性差別をするところでした。

    reinyan

    2023年11月24日

    ドラマ大奥の幕末編は展開が早くていいですね。
    現実は、一部の男しか罹らない病「男系固執脳・合併症は国民主権病」が猛威をふるってきた平成・令和ですが、そろそろ末期にしていかないと、国が滅びます。
    尊皇攘夷は水戸から出た天狗さんが広めたスローガンだったと思いますが、「尊皇」が大前提の世では、上滑りしている感は否めません。
    現代は、下手をしたら外圧で女性天皇を実現できるのでは?と妄想する庶民も少なからずいるので、大枠の尊皇・非戦の分類分けはとても大事だと思います。

    京都のS(サタンのSでも飼い慣らすし)

    2023年11月23日

     ドラマ「大奥」から4本目です(笑)。原作のよしながふみも脚本に起こした森下佳子もナショナリストだなぁと思ってしまいます。
     ちなみに「非戦VS攘夷」という考え方は「TPP亡国論」(中野剛志・集英社新書)からヒントを得たような気がします。

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