「大奥2」の慶喜がカッコ悪いと思ったら、「男系固執」なんて止めるべし!

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 「大奥season2」は「幕末編・後半」も激動展開です。徳川家茂(志田彩良)は後見職・一橋慶喜(大東駿介)の要請により再び上洛して孝明帝(茂山逸平)に接見し、帝を攘夷派から開国派に変えることに成功しましたが、その時の会話が振るっています。

孝明帝「攘夷したら異国の侵略を受けるいうことか?」

家茂「ですから幕府は開国を選んだのです」

孝明帝「けどそれでは異国の言いなり、属国も同じやないか」

家茂「開国し、貿易をし、武器を買い、異国に劣らぬ備えを得る…同時に異国の技を習い、己の手でそれらを作れるようにするのです…斯様な道筋でこの国を守ることをお許し願えませんか?」

孝明帝「そなたは本気でこの国を守ろうとしてくれておるのやな?…筋道立てて話してくれたのは、そなたが初めてや」

 国民のために祈り、国民のことを常に気に掛ける帝こそが真のナショナリスト(国民主義者)だと判るシーンでした。また家茂のようなナショナリストの為政者も国には絶対に必要です。

 三条実美ら攘夷派の公家や長州藩士を、七卿落ち→禁門の変を経て都から一掃した薩摩は、帝の御前での参与会議を上申し、会議に出た慶喜は三たび家茂の上洛を要請しました。慶喜は「帝が家茂を気に入っているのは女子だから」だと思って(皇統の男系固執派に通じる男尊女卑)おり、また帝の血筋が入っていること(母は有栖川宮登美子)を誇りとする男(女系の血で拍付けされた血統を誇る竹田恒泰氏に似る)でした。その慶喜は薩摩が気に入らないという私的な理由で節操なく攘夷派に転向しました。徳川と他藩の力関係しか見えない慶喜と内戦や属国化を避けたい家茂では君主としての格が違い過ぎます。

帝「慶喜はあかん…あれは人の着いてこん男や…慶喜こそが戦の火種となる…参与会議に出ていた大名が徳川に矛先を向けることも考えられる」…(※薩長が同盟して倒幕へ)

そんな頃、心労から家茂は脚気(江戸患い)を発症し、第二次長州征伐に向けた帝との接見中に発作を起こしました。慶喜は薩長が相手でも強気でしたが、家茂が亡くなると、その死を悼むという名目で和睦しました。

 家茂が「為すべきことが山ほどある…徳川のためにも、この国にも…」と言い残して死んだと聞かされた和宮(岸井ゆきの)は、「徳川とか、この国とか、そんなんどーでもよーない?…そんなん争うことが大好きな腐れ男どもにやらして…あたしら綺麗なもん着て、お茶飲んで、カステラ食べてたら、それでよーない?」「上さんはいつも人のことばっかりで…とうとう命まで差し出してしもうて…アホやろ」と号泣しました。

 男女逆転版「大奥」では、国や大義のために戦うのは男でしょうが、その一事を以て女を下に見るのは間違いだろ?と言いたいのだと私は感じました。 

文責:京都のS

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