過去の論破をプレイバック!
週刊SPA!誌上で倉山満が連載している「文章」をジャーナリストの笹幸恵さんが論破し続けていました。その論破の軌跡を「笹ブログ」で振り返ります。
今回は、約1年前の2022年1月20日の論破です。
倉山の元記事はこちらから
皇籍復帰は「門地による差別」という誤解/倉山満 | 日刊SPA! (nikkan-spa.jp)
倉山は有識者会議が提出した報告書について、こう述べています。
世の中には「何が何でも秋篠宮家から皇位を取り上げたい」という変わり者もいようが、そのような人たち以外には誰もが納得できる案だ。
倉山の妄言っぷりが激しくなってきて、笹さんの論破ボルテージも上がってきています。
何を言っているのか。
秋篠宮家から皇位を取り上げるとか、そんな話ではない。
あの報告書は、普通の国語力で読めば、誰もが特例法の附帯決議の目的に沿っていない、論点がずれている、と思うはずだ。
普通の国語力があれば、の話だが。
倉山満は、竹内久美子と同様、二項対立の単純思考で凝り固まっているとしか思えない。
「先例原理主義者」倉山はいつものワンパターンで「とにかく先例に基づけ」と記します。
神武天皇の伝説以来一度も例外なく継承されてきた先例が、皇位の男系継承である。
伝説なのに「一度も例外なく」などとなぜ言い切れる?
欠史八代はどう説明する?
伝説と事実を混同して、それを現代に強制するなど、時代錯誤を飛び越えて荒唐無稽ですらある。
倉山は、有識者が報告書で提案した2案の”真意”について、「こういうことだ」と解説しています。
敬宮愛子内親王殿下には、女性宮家を創設、結婚後も皇室に残っていただく。
そこに、旧皇族の男系男子孫の方がご結婚、婿入りしていただく。その折には親王宣下により、「陛下の息子」として婿入りしていただく。
旧皇族の方に愛子殿下が嫁入りしても同じことだが、今の直系に誰よりも近い愛子殿下に、最近になって親王宣下された方が婿入りする方が自然だろう。
ほとんど正気とは思えない主張だ。
「陛下の息子」とは、上皇陛下か天皇陛下の養子になる、ということだろう。
仮にその養子案を認めたとして、上皇陛下の息子となれば、愛子さまは叔父と結婚するのか。
天皇陛下の息子となれば、愛子さまは兄弟と結婚するのか。
そもそも愛子さまは、好きな人と結婚する自由すら奪われるのか。
皇室を設計主義的かつ人為的に操作しようとする、この発想そのものが気持ち悪いし、嫌悪感を覚える。
そして後段は、「女性は皇族になれるが男性は皇族になれない」という先ほど紹介した屁理屈を、自ら否定しているに等しい。
男が「今の直系に誰よりも近い愛子殿下」に婿入りしたほうがいいということは、倉山自身も愛子さまのほうに正当性があると認めているからではないか。
男女差別のモノサシは、皇族になれるとかなれないとかの話ではない。
「今の直系に誰よりも近い愛子殿下」が、そうであるにもかかわらず、天皇になれないことがおかしいのではないか、と言っているのですよ。
ただ「女」というだけで。
そもそも、民間人の男が結婚しても皇族になれないのは、これまた女性皇族のみ、結婚したら皇籍を離れる、という決まりになっているからじゃないの。
バカも休み休み言え。
さらに笹さんは倉山の矛盾を突きます。
「民間人の男が皇族になった例は、一度もない」と書いておきながら、報告書にある養子案を認めている。
旧皇族の男系男子孫は、生まれたときから民間人だ。
養子案というのは、民間人が皇族になる案だ。
先例に基づかなければならないのなら、こんな養子案など、噴飯モノだと切り捨てなければ辻褄が合わない。
倉山満という人間を総括するキメ台詞!
結局のところ倉山は、男系の「血」すらつながっていれば、あとは何をやってもいいと思っている。
これこそ本当の不敬と言わずして、何と言う。