
「御上先生」(TBS)では、ついに御上孝の兄・宏太(新原泰佑)が自死した理由が明かされました。御上兄弟の在籍していた啓陵学園は発達障害のある生徒を進学させず、これに抗議しても聞き入れられなかったため、御上宏太は放送室で抗議文を読み上げた後に自作の装置による感電自死を遂げました。孝にとっては宏太が理想の存在だったため、彼の好んだ「Personal is Political」も生涯のテーマとなりました。ここで私は「身捨つるほどの大義ありや」と問いたくなりました。「三島事件」(70.11.25:三島由紀夫が日本国の独立を訴えて自衛隊市谷駐屯地で割腹自決した)が自称保守(三島の思想とは真逆の親米派や男系派を含む)の便利使いエピソードとなったように、劇中の「御上事件」も左派が(生命至上主義の観点でエクスキューズを付けながら)便利使いするはずだからです。これらは左右の世間に蔓延する空気を強ばらせる効果しか持ち得ないでしょう。
しかし、劇中の御上孝は「兄のような事件を繰り返さないために」教育を変えるべく文科省に入りました。ここで私が追想したのは『脱正義論』の14章問題(薬害エイズ運動で一定の成果を上げた後、関わった学生に向かって小林先生が「日常へ帰れ」と語り、今度は自分が厚生省や製薬会社に入って内側から変えろと訴えた:同著14章に収録)です。つまり、文科官僚となった御上は「純粋まっすぐ正義君」には成らなかったわけです。まぁ『脱正義論』に影響を受けたと言う人でも、「2週間後はNYになる」などと言ってコロナ風邪の危機を過剰に煽り、コロナ自粛やワクチン接種を絶対正義とする空気を醸成した例もあるわけですが…。
要するに日本人は、従米世間・男系固執世間・グローバリスト世間・株価至上主義世間・血液製剤安全論世間・コロナコワイ世間・永久運動世間・絶対護憲世間といった各種世間の空気で動き、自分の頭で考える人は極めて少ないと言えます。それが投票行動にも現れるから日本の民主主義は世間主義でしかないわけです。この現状を踏まえるなら「愛子様立太子最優先世間」という現状で考え得る最も良質な世間の空気を日本国中に行き渡らせるしかありません。その方法は、自死やテロを伴うファナテッィクな行動ではなく、辛気臭い現状維持でもなく、アメノウズメが歌い踊り八百万が笑いだすような楽しい活動(フレンドリッチの会・歌謡曲を通して日本を語る…)であるべきでしょう。
文責:京都のS
※編集部より
御上先生HP
日曜劇場『御上先生』|TBSテレビ
フレンドリッチの会感想
若さと明るさ笑いと希望に満ちていました、素晴らしきかな!「フレンドリッチの会」 | ゴー宣DOJO
5 件のコメント
京都のS
2025年2月27日
パワー様、※ありがとうございます。世間至上主義は日本人にとって克服すべき課題ですが、フェーズ(位相)が変わったように思います。愛子様の立太子を実現することが最重要課題ですから、その克服すべき世間主義すら利用しなきゃならない段階です。頭数でしかない政治屋たちをマシな世間の空気に乗せなきゃいけない(愛子様立太子のために動かない政治家は次の選挙で議席を守れない?という空気を醸成して危機感を抱かせるべき)からです。おそらく日本国の建国より前から存在してきたであろう世間主義を克服するには驚くほどの年月と努力が必要だと思われます。だったら現状では、とことん良い方向に利用すべきだと考えます。
京都のS
2025年2月27日
ジョージ様、※ありがとうございます。「べらぼう」(横浜流星×小芝風花・森下佳子脚本)と「御上先生」(松坂桃李×吉岡里穂・詩森ろば脚本)で脳をフル回転させた後は「ホットスポット」(市川実日子×角田晃弘・バカリズム脚本)でクルーダウンさせましょう(笑)。笑えるので明るくなれますよ。
パワーホール
2025年2月26日
京都のSさん
世間主義について述べていますが世間主義も男尊女卑もなくすべき「旧き陋習」だと考えています。男尊女卑だけでなく世間主義もなくなれば日本はいい国になると思います。
あしたのジョージ
2025年2月26日
御上先生の兄は、学校への抗議と引き換えに自死したんですね。
自作の感電装置で自死するなんて、意志が強いというか美学があるというか、壮絶な自死ですね。
御上先生が兄に言った一言が最後の引き金になって、自死に追い込んだと思い込んでいるような感じでしたね。
何とも重い過去を背負っている御上先生です。
母親もそのショックで気が変になってしまって。
でも御上先生は、その事にネガティブにならずにポジティブに教育現場を変えたいと思いました。
とても前向きで素晴らしい事ですね。
何とも重たいドラマですが、重い空気は嫌なので、明るい空気で世の中を変えたいものですね~🤗
それにしても同じ日曜日の夜にべらぼうとはまた違った面白さのあるドラマが続くなんて、贅沢な日曜日になりました。🤭
京都のS
2025年2月26日
掲載ありがとうございます。ドラマ「御上先生」(TBS)を題材にしたものは以下です。
・「真のエリートとは、我が国では皇族方ではないか?」( https://aiko-sama.com/archives/49540 )
・「少女を狙うハゲワシの正体は男尊女卑だった!」( https://aiko-sama.com/archives/49809 )
・「フェミニズムとナショナリズムの間~TBSの分水嶺」( https://aiko-sama.com/archives/50234 )
・「国民が空気でしか動かないなら、気流は正しい方向へ流せ!」( https://aiko-sama.com/archives/50608 )
・「旧宮家系子孫の皇室への裏口入学こそ象徴的男尊女卑!」( https://aiko-sama.com/archives/50846 )
フェミニズム関連なら以下も合わせて読んでいただきたいですね。
・「真剣さが見えない『天皇なきフェミニズム』に物申す!」( https://aiko-sama.com/archives/46448 )
三島由紀夫に関するものなら、以下のシリーズも読んでいただきたいです。
・「三島由紀夫の女系公認論」( https://aiko-sama.com/archives/25322 )