
天津神々から国譲りを迫られた大国主神は息子らに相談し、1人目の建御名方神(母は高志沼河比売)は建御雷神との力比べで負けると諏訪へ逃亡し、2人目の事代主神(母は紙屋盾比売or湍津姫)は恭順の意を示しつつ入水しました。建御名方が逃亡した諏訪の地にある諏訪大社には、御柱祭(樅の巨木を坂から落とす木落が有名:下社)の他に御頭祭(上社前宮)という奇祭があり、それは75頭分の鹿の頭を供える儀式(現在は剥製)で、御贄柱に縛り付けられた子供を神官が小刀で刺そうとした瞬間に止められて解放される儀式もあるそうです。 上記は日ユ同祖論では『旧約聖書』「創世記」に由来する「イサクの燔祭」と結び付けられ、それは唯一神がアブラハムに「息子のイサクを生贄として差し出せ」と命じ、エルサレムのモリヤ山で我が子を手に掛ける寸前で許された件です。モリヤ山は諏訪大社の神体山・守屋山と重なり、アブラハムが我が子の代わりに捧げた山羊が鹿で代替されたという主張ですが、景教(キリスト教ネストル派)がシナ大陸に伝わるより前に聖書の思想が日ノ本に来るはずが無いので論外です(※「トンデモ説が~」参照)。
さて、上社の神体山(守屋山)は洩矢神(狩猟文化)の依り代でしたが、それが征服者の建御名方(農耕文化)に奪われたと考えられ、であれば御頭祭や蛙狩神事は縄文的狩猟文化の名残でしょうが、縄文と言えば諏訪の北方にある越(高志)の糸魚川沿いは翡翠(縄文アクセサリーの材料)の産地です。そして高志と言えば『古事記』では「八俣大蛇」が「高志之八俣遠呂智」と表記され、八千矛神(大国主)が沼河比売に妻問した件もあり、『出雲国風土記』の国引き神話では八束水臣津野命が新羅や高志から土地を引き寄せたとあり、それら全てが越と出雲との強い繋がりを伺わせます。
筆者は以前「双系システムの成立過程~」で、縄文前期に来たコシ族(日本海側に定着したポリネシア系)こそが母系制を定着させ、それゆえ儒教的男系主義が流入しても双系に留まれたと結論しましたが、コシ族が最初に到達したのは沖縄で、日本海航路でタニハ・越から奥羽や蝦夷地にも拡がり、ヒナ族(東国に定着したモンゴル系&トルコ系)と混血しながら「縄文人」になったと思われます。つまりウチナーンチュ(沖縄人)こそが日本人の原形だと言え、それゆえ大東亜戦争で生贄にされた件とは別の側面でも天皇の祈りを受けるべき理由があると筆者は考えます。
文責:京都のS
3 件のコメント
京都のS(サタンのSでも飼い慣らすし)
2026年3月2日
『ゴーマニズム宣言Special新堕落論』の参考文献として挙げられた『神やぶれたまはず』(長谷川三千子著)に「イサクの幡祭」を扱う章があり、「敵が上陸したら国を守って戦って死ね」と大人たちから命じられた戦中の子供たちを生贄イサクに例えていました。上記のように「死を受け入れようとした戦中の子たち」は「客体」ですが、連合国軍総司令部のマッカーサーに対して「私の一身はどうなろうと構わない…私はあなたにお委せする」と述べ、「主体」的に身を投げ出そうとした昭和天皇と戦中の子たちを長谷川氏は対比させていました。天皇の行き方を国民が範とすれば国は滅びないと感じました。然るに今、国民が挙って天皇のエートスを潰そうとしています。嗚呼…。
京都のS
2026年3月2日
コシ族やヒナ族については以下もご覧ください。
・コシ族:「イースター島民からの教え」( https://aiko-sama.com/archives/29840 )
・ヒナ族:「カザフ騎馬遊牧民からの教え」( https://aiko-sama.com/archives/31465 )
京都のS
2026年3月2日
ふぇい様、掲載ありがとうございました。これは…
・「トンデモ説が壺に至るバタフライ・エフェクト?」( https://aiko-sama.com/archives/55530 )…太秦に蔓延る日ユ同祖論の粉砕
・「女傑が率いた日ノ本のレイラインを愛子天皇の未来へ繋ごう!」( https://aiko-sama.com/archives/55908 )…丹後~但馬と神功皇后を繋ぐレイライン
・「女系の血に権威が宿る国で女系継承を禁じるな!」( https://aiko-sama.com/archives/63348 )…開化帝・神功皇后・天日矛・天火明を整理
・「大切なことは五月蠅なす邪神どもに決めさせるな!」( https://aiko-sama.com/archives/63487 )…賀茂社と貴船社と玉依姫の謎
・「男尊女卑で民を減らしながら円安で渡来人を呼び込む愚」( https://aiko-sama.com/archives/64475 )…羽衣伝説・浦嶋伝説と舟屋の町を蝕む観光公害
・「愛子天皇の御世には皇統譜を復元すべし!」( https://aiko-sama.com/archives/65185 )…神功皇后と飯豊青皇女の皇統譜への復帰論
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・「同じ『高市』でもエライ違いだな(笑)」( https://aiko-sama.com/archives/66346 )…天武帝の子・高市皇子と初の女性首相を比較!
・「『失われた皇室』とならぬよう今やれることをやろう!」( https://aiko-sama.com/archives/66427 )…東西に並ぶ聖地を論じつつ日ユ同祖論批判へ
・「無駄な足掻きを止めて楽になりませんか?」( https://aiko-sama.com/archives/66570 )…神話解釈からアマテラス男神説の否定
・「公の体現者を戴いてこそ移民をフルメンバーとして受け入れ可能」( https://aiko-sama.com/archives/67067 )…山背盆地の豪族から移民OK論へ
・「小っさい男に実権を握らせたがる自虐史観を討つ」( https://aiko-sama.com/archives/67458 )…卑弥呼の弟=月読命という見立て
・「稀人を歓待した和国人のエートスに立ち返ろう!」( https://aiko-sama.com/archives/67654 )…徐福到達伝承から移民OK論
…に続く「京都シリーズ」です。