ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 13th season

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 「 12th season」では、未曽有の経済危機にあって多くの貧民を救った「世界経済史上の英雄」と呼ぶべき高橋是清を紹介しましたが、何故か高橋は日本の特に左派方面での評判が良くありません。今回は、その理由を探りつつ田中角栄にも言及します。

 満州事変以降の高橋蔵相は軍部から軍事費増額を要求され、これを拒否ったために2.26事件で殺されたことは前回に記した通りです。軍部に逆らったことも悲劇的な最期も日本左翼が好みそうな話題ですが、左翼は彼のケインズ主義的政策が気に入らなかったものと推察されます。と言うのも、日本左翼の代表である日本共産党の「しんぶん赤旗には「公債の無いところに戦争は無いと断言しうる」「財政法第4条は憲法9条の戦争放棄を裏書き保証せんとする」と記され、これは高橋財政(国債発行による積極財政:1932~36…軍部の国政掌握後は戦時国債が常習化:1940~45)が財政法4条(GHQ占領下の1947年に制定:公債発行禁止)に反しているからでしょう。つまり高橋が忌避される理由は「GHQの呪い」です。

 ところで、戦災復興需要(内需)や朝鮮特需(外需)、人口増に伴う需要(設備投資や耐久消費財:内需)に国内企業が応えて起こったのが「高度経済成長」(1955~)ですが、この第一次昭和バブルに陰りが見えてきた頃に第一次東京五輪(1964)が開催されました。従って五輪後はバブル崩壊による大不況が予想されましたが、ここで第一次佐藤内閣の田中角栄蔵相が財政法4条1項のただし書き」に基づいて建設国債の発行を可能としました。つまり田中は、同条項の抜け穴によるケインズ政策で五輪後不況の被害を極小化し、その効果を最大化するために「列島改造論」をぶち上げたのでしょう。ゆえに田中も経済ナショナリストだと判りますが、田中に「土建屋政治家」の汚名を着せたのは「ブキャナンのノーベル受賞学説」(有権者の求めで政府がバラマキ→財政破綻?)と「戦時国債の記憶」(戦災で供給力激減→高インフレで国債が紙切れ化)が合体して出来た世間の空気from財務省の洗脳だと思われます。

 田中はニクソンから昭和天皇の訪米を打診されて承諾した件(政治利用)を思えば臣・角栄たり得ませんが、現在の男系固執派より遥かに地頭が良いので、もし角栄が存命していたら愛子天皇が「景気の気」を上げると直感し、必ず愛子天皇フィーバーを活用したはずです。    

文責:京都のS

3 件のコメント

    京都のS

    2025年1月11日

     赤旗新聞の当該記事は、大蔵省主計局法規課長だった平井平治氏の解説書「財政法逐条解説」(1947)に基づいているそうです。つまり、世界一の緊縮派たる財務省(旧大蔵省)の緊縮路線(財政収支を黒字化せよ!予算は税収の範囲内に留めろ!)と日本共産党の土建屋政治批判(赤字国債で公共事業をやったら子や孫に付けを回すことになる)は完全に同根だと言えます。で、ネオリベもケインズも否定する左翼が最終的に望むのはマルキシズムしかありますまい。マルキシズム(共産主義)にもネオリベラリズム(新自由主義)にも向かわせないためには、ケインズ主義(不況時)とハイエク主義(好況時)の間で平衡を取る途しかありません。

    京都のS(サタンのSでも飼い慣らすし)

    2025年1月3日

     「GHQの呪い」と言えば男系固執派は、1947年に11宮家の皇族51名を臣籍降下させたことこそが「GHQの陰謀」だと言います。しかしながら彼らは大正9(1920)年の「皇族の降下に関する施行準則」に則って臣籍降下した(GHQの陰謀に非ず)のであり、従って一旦「皇統譜」から「戸籍」に移った者が皇籍に戻す正当な理由は存在しません。誕生時に皇族で無かった者(竹田恒泰の父・恒和も)なら猶更です。
     ちなみに男系固執の御大・安倍晋三ですら、GHQの決定(旧宮家の臣籍降下 in 1947)に逆らうつもりは無いと言いました。また似非ケインジアンの安倍は、もう一つのGHQの決定(財政法4条 in 1947)にも逆らうつもりは無かったようです。黒田砲(異次元の金融緩和)をガンガン撃っても、財政出動は絶対に実行せず、逆に増税と社会保障カットを繰り返し、つまり財務省の緊縮方針に従い続けていました。要するにケインジアン男系派(三橋・中野・藤井・施…麻生・高市・城内…)とは、似非ケインジアンのネオリベ緊縮主義者(安倍晋三)に騙され続けた究極の愚か者だと言えます。

    京都のS

    2025年1月3日

     掲載ありがとうございました。ケインジアン男系派のついでにネオリベ緊縮派も斬るシリーズの第13弾です。今回は角栄の登場です。

     第1弾~第12弾は以下です。
    ・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する!1st season」( https://aiko-sama.com/archives/36871
    ・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する!2nd season」( https://aiko-sama.com/archives/37083
    ・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する!3rd season」( https://aiko-sama.com/archives/38400
    ・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する!4th season」( https://aiko-sama.com/archives/42223
    ・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 5th season」( https://aiko-sama.com/archives/43664
    ・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 6th season」( https://aiko-sama.com/archives/46020
    ・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 7th season」( https://aiko-sama.com/archives/46118
    ・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 8th season」( https://aiko-sama.com/archives/46543
    ・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 9th season」( https://aiko-sama.com/archives/46734
    ・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 10th season」( https://aiko-sama.com/archives/46928
    ・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 11th season」( https://aiko-sama.com/archives/46948
    ・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 12th season」( https://aiko-sama.com/archives/47573

     他にケインズ主義について書いた記事は以下です。
    ・「インペリアル・グローバリズムという悪夢2」( https://aiko-sama.com/archives/33381
    ・「時処位の変化と制度改革」( https://aiko-sama.com/archives/32084
    ・「歴史から自由になった日本人民は皇室を戴けるか?(下)」( https://aiko-sama.com/archives/22681
    ・「権力者・愛子天皇の治世を仮想してみれば…」( https://aiko-sama.com/archives/22571
    ・「齟齬が生じたなら万難を排して改めよ!」( https://aiko-sama.com/archives/34107
    ・「思想マトリックスに皇統問題を加味してみた(表)」( https://aiko-sama.com/archives/29761
    ・「博愛と競合の間(余)~圧倒的に節度が足りない!」( https://aiko-sama.com/archives/37381
    ・「合理と感情の間~良識なき言論人を葬送せよ!」( https://aiko-sama.com/archives/38156

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