
大河「べらぼう」では、幕府による座頭金(盲人組織による高利貸し)取り締まりが検校・鳥山玉一(市原隼人)にも及び、鳥山と妻の瀬以(瀬川花魁:小芝風花)は奉行所に連行されました。瀬以の心が身請けした夫の自分ではなく蔦谷重三郎(横浜流星)にあると知る鳥山は、御白州での裁きが下る折、鳥山側から離縁を願い出た旨を町奉行から瀬以に伝えさせました。これは「重三は光でありんした」と打ち明けながらも「(重三を思う)心を無くしたい」とまで言った瀬以に報いる行動でした。こうして瀬川と重三は一緒になれる道が見えました。
さて、吉原の門前市にある蔦屋(茶屋)と耕書堂(本屋)が同一店舗であるために客が混乱する不都合が生じ、ゆえに蔦重は大文字屋市兵衛(伊藤淳史)から独立を勧められていました。同じ頃、松葉屋の寮(体を壊した遊女が療養する施設)に滞在する瀬川が、堕胎後に回復しない松崎(旗本の娘:新井美羽)の世話をしていると、座頭金のせいで女郎屋に売られた恨みから松崎は瀬川に斬り付けました。折檻中に現れた瀬川に対して松崎が恨み言をぶつけると、自分は武家が課した重い年貢のせいで売られたと返し、恨みの連鎖は虚しいと説きました。
蔦重は育ての親・駿河屋市右衛門(高橋克実)に瀬川と一緒になりたいと願い出ますが、その時の説得が振るっていました。「吉原者は四民の外(被差別民)」と公認する裁きが下った件を挙げ、裁きを覆すためにも瀬川を吉原で保護する必要があると訴えました。曰く「親父様たちの女郎の扱いは酷ぇ!」「四民の外が嫌なら内から変わんなきゃいけねぇんです!」「困った女を食い物にすんじゃなく助けるとこにする」「そうすりゃ見る目が変わると思うんです」「瀬川のことも厄介者として放り出すんじゃなく吉原が面倒を見たとなりゃ、それを世に示すことになんじゃねぇすか!?」
これは吉原を良くしたいという蔦重と瀬川が共に見た夢を言葉に表したものです。また外から強制される前に内から変わるべきという言い分が重三の吉原パトリオットたる所以です。
国連の女性差別撤廃員会から「差別的な皇室典範を改正せよ」と命じられる前に改正しておくべきという感覚に似ています。「国連の勧告はムカつくが自ら変わる気も無い」というのが現代の男系忘八どもの言い分です。彼らは自分らが「女性天皇賛成90%の世間の外」である事実を思い知るべきです。
文責:京都のS
5 件のコメント
京都のS
2025年4月10日
枯れ尾花様、※ありがとうございます。巡る因果は「恨み」より「恩」がイイですね。世界では関税の応酬という連鎖が続きそうですが、侵略が連鎖しないような国際法の発展が望まれます。
というわけで「ゴー宣DOJO in 横浜・ウクライナ戦争と国際法の行方」に注目ですね。
枯れ尾花
2025年4月9日
この回は鳥山検校と瀬似のお互いに対する思いやり、蔦重のこれからを考えて彼と別れる決心をした瀬似の思いやり、そして蔦重の吉原女郎に対する思いやりで溢れていましたね。
恨みの連鎖なんかより思いやりの連鎖が世に溢れて欲しいですな。
京都のS
2025年4月9日
ジョージ様、※ありがとうございます。花ノ井は身を引きましたね。自分の存在が重三の夢を邪魔するぐらいなら…と。
男系忘八どもには極限の恥を掻いていただきましょう(笑)。
あしたのジョージ
2025年4月9日
瀬川は鳥山検校から離れて蔦重とやっといっしょになれるかなぁと思いましたが、自分から身を引いてしまいました。
悲しいなぁ〜🥺
吉原は女郎を喰い物にして荒稼ぎしているイメージが世間に浸透しているので、イメージを一新して変わっていかなければいけないと蔦重が言ったのは、痺れました。🫨
今の日本も国連から勧告を受けて逆ギレしているようでは情けないです。
脱退する勇気もなくただただ恥晒しだと思います。
内側から変わる勇気を持ってもらいたいものです。
私も偉そうに言えませんけど。🥹
京都のS
2025年4月9日
掲載ありがとうございました。「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」や吉原の要素を含むブログは以下です。
・「『べらぼう』が始まった今だから言っておきたい平賀源内異聞」( https://aiko-sama.com/archives/48334 )
・「『光る君へ』と『べらぼう』を繋ぐレイラインと愛子天皇への道」( https://aiko-sama.com/archives/49128 )
・「『血のスペア』という非人道的システム」( https://aiko-sama.com/archives/49347 )
・「『○○売れ』とは『景気の気』」( https://aiko-sama.com/archives/50040 )
・「正しい改革も楽しませながら訴える時代だから」( https://aiko-sama.com/archives/50174 )
・「血統書付きのホシュを今すぐ終焉させよ!」( https://aiko-sama.com/archives/50602 )
・「皇室で飯食ってる奴が皇統断絶推進ってどういう了見だ!?」( https://aiko-sama.com/archives/50851 )
。「愛子様は127代目として即位していただくべきでありんせんか?」( https://aiko-sama.com/archives/51467 )
・「女性皇族を地獄に置き続けたがる人非人こそ地獄へ落ちよ!」( https://aiko-sama.com/archives/51677 )
・「大切なものはパトリオットにしか守れない!」( https://aiko-sama.com/archives/52091 )
・「時代遅れの価値観が時処位に適うこともある」( https://aiko-sama.com/archives/52390 )
・「小さな柵や対立も吹き飛ばすほど大きな風を起こそう!」( https://aiko-sama.com/archives/52504 )
・「弱者権力もルッキズム批判も排し、書で以て世を耕そう!」( https://aiko-sama.com/archives/52814 )
・「『光る君へ』から皇族女子の生き辛さを思う 2nd season」( https://aiko-sama.com/archives/37751 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 15th season」( https://aiko-sama.com/archives/48744 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 17th season」( https://aiko-sama.com/archives/50633 )