
2月12日の「歴史探偵」(Eテレ)が上杉鷹山を採り上げていました。上杉治憲(鷹山:1751~1822)は米沢藩主として藩政改革を行った人物です。上杉家は会津から米沢に転封された際も家臣をリストラせず、近隣藩と比べても武士の数が多かったようです。日向高鍋藩からの養子である治憲が9代藩主に就いた頃、領内では逃散(耕作放棄&集団逃亡)や女児の間引き(働き手の男児優先)により人口減少が進み、男女比率も歪(8:5)でした(※吉原行きより間引きの方がマシと言える?)。治憲の改革は1期と2期に分けられ、第1期では農民に漆や桑の植樹を奨励しましたが、人口減少が酷すぎたことと天明大飢饉(1782~87)が重なったことで頓挫し、引退を余儀なくされました。
義弟の治広が10代藩主に就いてから乞われて相談役となった治憲は改革の第2期に当たりました。番組で紹介された治憲の人口減少対策は子供手当(子供5人につき大人1人分の食料を支給)、福祉(独居老人・障害者の支援)、婚活(新婚夫婦の年貢を減免)、財政再建策は特産品開発(養蚕と桑栽培の奨励・武士の子女も米沢織を習得・現金収入↑)でしたが、調べによると他に治憲は米沢北部に大規模な農業用水(黒井堰)を築き、これで置賜の田畑が潤って米も増収し、借金塗れだった藩財政は次第に好転し、こうした富国安民政策の相乗効果で人口はV字回復し、男女比率も正常化していきました。
さて、以上の施策は全てケインズ政策による公共投資であることが解ります(※幕政はケインジアン田沼意次が担っていた)。上杉鷹山と言えば「成せば成る」と質素倹約だけで藩財政を建て直したイメージで、確かに藩主が先頭に立って家臣に倹約を奨励しましたが、領民のためには財政出動も果断に行ったわけです。では、この経済政策のみを現代日本に応用できるでしょうか?男尊女卑が脳髄に沁み込む過程の江戸期と男尊女卑から解放され始めた現代ではマインドが異なるため絶対に不可能です。与党と国民民主と男系派は、緊縮財政や物価高騰の放置で兵糧攻めしつつ「古き良き男尊女卑に還れ」「受け入れたらケインズ政策で救ってやる」とでも言うつもりでしょうか?
ケインズ政策を息切れさせないためには人口減少を止める必要があり、それには男尊女卑の解消が不可欠であり、その号砲となるのが愛子様の立太子であるなら、それは富国安民の最重要ピースでありましょう。
文責:京都のS
※編集部より、歴史探偵 – NHK HP
10 件のコメント
京都のS
2025年2月27日
米沢藩の人口男女比率が♂=8:♀=5だった事実は、クソ長い名称の某全体会議で「悠仁様まで揺るがせるな派」=8会派:「女性女系も俎上に派」=5会派という比率と一致していて面白いと感じました。いや、それだけなんですけどね(笑)。
京都のS
2025年2月15日
下のコメで書いてきた日本史上のケインジアンですが、山田方谷・渋沢栄一・三岡八郎(由利公正)らが抜けていました。
京都のS
2025年2月14日
しかし、こうして見てくると、日本にはケインジアンが多いと気付かされます。仁徳帝(大減税)、持統帝(富本銭鋳造&藤原京造営)、聖武帝(大仏建立)…徳川吉宗(輸入品国産化・桜植樹)、田沼意次(南鐐二朱銀鋳造&印旛沼干拓・蝦夷地調査)、上杉鷹山(子供手当・特産品開発・黒井堰)、徳川家斉(伊能測量隊・海防投資)、二宮金次郎(年貢減免・公共事業)…高橋是清(ケインズより早いケインジアン)、田中角栄(財政法4条下で建設国債)と。
この先「バッタもん」のケインジアンは要りません。人口問題の解決(男尊女卑の解消=愛子天皇)と財政法4条の削除(経済主権再獲得)の両方を出来る人でなければ任せられません。いや、国家の独立(欧米外資の米国政府を通じた対日要求を排斥できる)も絶対に必要です。
京都のS
2025年2月14日
れいにゃん様、※ありがとうございます。これぞ権力者の遣り口です。しかしながら(似非)ケインジアンの安倍晋三ですら財務省のレクチャーを受けたら緊縮へ後退しました。「旧皇族(旧宮家系子孫)の皇籍復帰(皇籍新取得)」も「GHQの決定に逆らうことはしない」と言って逃げましたから、「財政法4条削除」も「GHQの決定」ですから逆らえないわけです。従ってタマキンごときに覆せるわけが絶対になく、貧困女子に男尊女卑を押し付けたら、その後は救いもせず見殺しにするでしょうね。もう消えてくれって思います。
京都のS
2025年2月14日
叶丸様、※ありがとうございます。
確かに彼は「公娼の廃止」を訴え、領内の公娼は無くしたみたいですね。キリスト者の内村鑑三が『代表的日本人』で鷹山を褒めていましたが、つまり「公娼廃止」はキリスト教的には大いに褒められるべきってことなのでしょうね。やはりキリスト教と日本教は相容れませんね。
京都のS
2025年2月14日
パワー様、※ありがとうございます。「歴史探偵」が採り上げてくれたから書ける状態になりました。田沼時代の君主ですから、「べらぼう」連動企画でしょう。「べらぼう」にも出てほしいものですね。特産品開発は公共投資(ケインズ政策で言うところの財政政策)ですね。本論の肝は人口問題の解決こそ「ケインズ政策の要」ゆえ「男尊女卑の解消」こそ必須という立論です。
れいにゃん
2025年2月14日
「古き良き男尊女卑に還れ」「受け入れたらケインズ政策で救ってやる」の部分で笑ってしまいました。なるほど、国民民主党はこれに近いことを言っていますね。
叶丸
2025年2月13日
少し前にウィキペディアで見た時にはよく解らなかったのですか、このブログは解りやすかったです。
そのウィキペディアで憶えている内容としては2つあって、一つ目の「鷹山は女系」と言うのは良いと思いました。
ただ、もう一つの「公娼制度の廃止」と言うのが気になりました。
これはどうなのでしょうか…?
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E6%9D%89%E6%B2%BB%E6%86%B2
パワーホール
2025年2月13日
京都のSさん
以前私がコメントした上杉鷹山について取り上げてくださりありがとうございます。やはり米沢藩の改革は財政出動あってこそでしたね。特に特産品開発は財政再建のためには不可欠だと思います。
京都のS
2025年2月13日
掲載ありがとうございました。ケインジアン男系派のついでにネオリベ緊縮派も斬るシリーズの第17弾です。
第1弾~第16弾は以下です。
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する!1st season」( https://aiko-sama.com/archives/36871 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する!2nd season」( https://aiko-sama.com/archives/37083 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する!3rd season」( https://aiko-sama.com/archives/38400 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する!4th season」( https://aiko-sama.com/archives/42223 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 5th season」( https://aiko-sama.com/archives/43664 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 6th season」( https://aiko-sama.com/archives/46020 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 7th season」( https://aiko-sama.com/archives/46118 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 8th season」( https://aiko-sama.com/archives/46543 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 9th season」( https://aiko-sama.com/archives/46734 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 10th season」( https://aiko-sama.com/archives/46928 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 11th season」( https://aiko-sama.com/archives/46948 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 12th season」( https://aiko-sama.com/archives/47573 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 13th season」( https://aiko-sama.com/archives/47597 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 14th season」( https://aiko-sama.com/archives/48337 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 15th season」( https://aiko-sama.com/archives/48744 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 16th season」( https://aiko-sama.com/archives/50146 )
他にケインズ主義について書いた記事は以下です。
・「インペリアル・グローバリズムという悪夢2」( https://aiko-sama.com/archives/33381 )
・「時処位の変化と制度改革」( https://aiko-sama.com/archives/32084 )
・「歴史から自由になった日本人民は皇室を戴けるか?(下)」( https://aiko-sama.com/archives/22681 )
・「権力者・愛子天皇の治世を仮想してみれば…」( https://aiko-sama.com/archives/22571 )
・「齟齬が生じたなら万難を排して改めよ!」( https://aiko-sama.com/archives/34107 )
・「思想マトリックスに皇統問題を加味してみた(表)」( https://aiko-sama.com/archives/29761 )
・「博愛と競合の間(余)~圧倒的に節度が足りない!」( https://aiko-sama.com/archives/37381 )
・「合理と感情の間~良識なき言論人を葬送せよ!」( https://aiko-sama.com/archives/38156 )