
大河「べらぼう」では、物語の冒頭で起こる明和大火(1772)の時に出会った少年・唐丸(渡邉斗翔)の正体が判明しました。母(向里祐香)は夜鷹(辻立ち私娼)で、7歳から男娼として客を取らされ、母から日常的に暴力を受け、自分の稼ぎも母の情夫ヤス(高木勝也)に奪われ、鳥山石燕(片岡鶴太郎)から妖怪画を習う時だけが楽しく、それでも大火の時に母を見捨てたことが心の傷になっており、そんな頃に出会ったのが蔦谷重三郎(横浜流星)でした。蔦重に迷惑を掛けまいと、再び現れたヤスを殺して逃げた唐丸でしたが、人別(戸籍)の無い身では真っ当に生きられず、絵師を騙る北川豊章(加藤虎ノ介)に囲われながら男娼に戻りました。
蔦重が、北尾重政(橋本淳)・礒田湖龍斎(鉄拳)・勝川春章(前野朋哉)の画風を自在に描き分ける北川豊章を訪ねると、そこには客を見送る捨吉(染谷将太)が居ました。蔦重は再会を喜びますが、捨吉は「今のままでいい」と言います。戯作者の朋誠堂喜三二(尾身としのり)を女郎屋に「居続け」で執筆させていた重三は、体を売る仕事で構わないと言う人について松葉屋の女将・いね(水野美紀)に尋ねると、「罰を受けたい奴」「早く死にたい奴」だと言います。捨吉と再会して凄惨な過去を聞かされた重三は「生きてぇなら手を貸す」「業突な本屋に絵を描かされているという言い訳を与えられる」と言い、捨吉に生きていて良い理由と「喜多川歌麿」という画号を与えました。駿河屋市右衛門(高橋克実)は唐丸の吉原帰還を嫌がりますが、女将・ふじ(飯島直子)は「勇助」名義の人別を唐丸に与え、追ってきた北川豊章や人別改めの追及を逃れました。
史実での歌麿の過去は判りませんが、劇中では以後もPTSDやサバイバーズギルトの症状が顔を出すかもしれません。でも必ず重三が支え続けるはずです。
さてPTSDと聞けば、自身の婚約者が世間から凄惨な制裁を受けた眞子様が複雑性PTSDを発症されたことが思い出され、他にも雅子様が適応障害、美智子様が失声症…精神的疾患を患っていない女性皇族は居ないと言う雑誌もあります。「それなら皇室そのものを廃止すべし」という極論に走る者もいますが、憲法1章を削除する改憲には言及しません。そういう覚悟が無いなら、重三ばりにとことん寄り添い、皇族方に生きる意味と実存を実感していただけるようにすべきなのです。
文責:京都のS
9 件のコメント
京都のS
2025年5月15日
突然ですが、「べらぼう」劇中では「写楽=歌麿」だろうと私は考えています。唐丸(後の歌麿)は画風を自在に変えられる設定です。女郎の女郎じゃない瞬間を活写すきる歌麿の美人画も、顔の欠点すらも正確に捉え、それをデフォルメして活写する写楽の役者絵も、唐丸の能力(直観映像記憶・画風チェンジ)が有れば可能です。どちらも蔦重の売り出し戦略に応えるためでしょう。
さて、とっと様、あまり当サイトにそぐわない話題になってきたと感じられ、また答えの出ない問題だとも感じるので、その件はココまでとさせてくださいませ。
とっとちゃん
2025年5月14日
京都のS 様
国民のために祈られている皇族は敬愛します。
祈りとか人道や権理通義など立派ですが、残念ながら生活保護や障害年金、社会福祉制度が持続可能なのかというと難しく限界が来てます。というか、崩壊しかけている福祉施設を結構見てます。(昨年の報酬改定によるA型作業所の大量倒産で障害者の大量解雇など)
ただ、発達障害者や精神障害者が増え医療費・社会保障費も膨大になっており、若い世代に負担がかかっているのも事実。
最近になって国民民主党などが尊厳死・安楽死の政策を出してきましたが生命至上主義の日本です。厳しい。
2日前だけど、2022年に参院選で国民民主党から出馬経験もある上松正和医師が重度障害児の安楽死について旧Twitterに投稿しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/acd2b76fc09d2c223a0945e2e7667e0572478327
国民民主党に批判がかかってしまうのは痛いところ。
京都のS
2025年5月14日
枯れ尾花様、※ありがとうございます。唐丸の「俺にとっちゃ夢みたいなところだった」発言は、売られてきた女郎候補(花ノ井ら)と拾われた男衆(重三や唐丸ら)という立場の違いも大きいと感じます。女郎が従事するのは「地獄商い」ですから。しかし、重三が花ノ井と共有した「朝顔姐さんのような不幸を繰り返したくない」という思いで突っ走ってきた行動が徐々に忘八連合をも動かし、その結果が「彼らなりの情」を示す現在の状態なのだと感じます。
重三が某八を動かしたように我々も「皇族方を不幸にする制度は変えねばならない」という思いで行動し、状況を動かしていかねばなりませんね。
京都のS
2025年5月14日
ジョージ様、※ありがとうございます。森下佳子氏は流石の作劇ですよね。
女性皇族の苦悩は「皇族=権力者」との思い込みも原因の一つですから、「皇族方は権威のみで権力は持たない」「権力者が政治利用しているだけ」と周知させねばなりませんね。そして「男尊女卑的な制度」が中央に居座っています。これを解除しないことには女性皇族方が救われることはないはずです。直ちに解除すべきですね。
京都のS
2025年5月14日
とっと様、※ありがとうございます。本論のテーマから外れる議論だと承知した上で答えてみます。精神疾患患者は都市部なら「狐憑き」として土蔵に閉じ込めたり、農山村なら放置されたかもしれません。また口減らしの「間引き」や「女衒に売る→吉原行き」が横行した時代のことであることも押さえておかねばなりません。
また、西欧のキリスト教を踏まえた人権感覚とは異質な、孟子の「惻隠の情」を踏まえた日本的な「人道」や「権理通義」が適用された場合なら、狐憑きの人も生きられたかもしれません。劇中で「狐憑き」呼ばわりされた晩年の平賀源内にも、情に厚い蔦重が気に懸け続けたように。
そして、その感覚は現代日本の弱者救済のための諸制度にも流れているはずですし、最も色濃くエートスを受け継いでいるのが、困難に直面している人々を気に懸ける皇族方ではないかと私は考えます。
枯れ尾花
2025年5月13日
いよいよ、唐丸改め喜多川歌麿の登場ですね。
蔦重がひでえ所と言っていた吉原を唐丸の発した「俺にとっちゃ夢みたいなところだった」というセリフで、いかに彼がそれ以前には過酷な子供時代を送って来たのかが分かります。7歳にして母親の命令で男娼として客を取らされるなんて。そして大火事の際、その母親に親を見殺しにするのかとの罪悪感まで植え付けられて、結果「早く死にたい奴」となり・・・しかし、鳥山石燕に出会い絵を描く喜びを知りそれが将来彼の生きるための術となり、蔦重と出会い生きていて良い理由を得ることができましたね。まあ、でも京都のSさんが仰るようにこれほど過酷なトラウマは歌麿のこれからの人生に深刻な影響を与えずにはおかないでしょうけど・・・。
一方で女郎部屋の女将、ふじ(飯島直子)やいね(水野美紀)、べらぼうが始まった当初は「誰やねんこの女優は?眉剃ってて怖いんやけど」と思って観ておりましたが徐々にそのビジュアルにも慣れ、それに合わせて女郎達にとっては厳しくも情をもって接していたことが分かってきました(彼女たちも女郎としてそこでの生活スタートしてたわけですから女郎達の苦しさは誰よりも分かっていたでしょうから)。そしてそれは吉原で働く蔦重に対しても同じで、だからこそ彼はあのような情に厚い人物に成長したのだと思いましたね。
しかし、このドラマ観ているとつくづく人権という概念は当時の日本にはなくて、情によって人は心動かされていたんだなあと思いましたね。
それにしても皇室の方々に対して情のかけらもない男系カルト連中はまさに現代に生きる真の忘八ですな。
あしたのジョージ
2025年5月13日
この回の蔦重にも痺れました。🫨
捨吉が唐丸と知ると何が何でも助けたいと思い、生きる意味と名前まで上げて捨吉を生き地獄から救おうとする懸命さにジ〜ンときました。🥹
母親から無理やり男娼にされ日々虐待され続ける毎日や火事で母親を助けなかった事もトラウマになっている捨吉。
美智子様や雅子様や眞子様など女性皇族が内部からやマスコミや一般国民から言われたい放題で肉体的精神的に病気になってしまうのもわかります。
そんな女性皇族達にちゃんと寄り添える法的な整備をきちんとして、蔦重の優しさを見習うようにして欲しいですね。🤗
とっとちゃん
2025年5月13日
江戸時代の何が良かったかと言うと、精神疾患者に無関心で酷かったら山や川へ捨てて餓死できたことだ。または浮浪者になった。
( 憶測になるけれど視覚障害者は検校・座頭などあったが、多分全体の数10%ぐらいで多くは上記のように自然淘汰できたとおもう )
難しいけれど、現在は生活保護・障害年金など精神疾患者を税金で生かせられるようになり、しかも増加している。
というか医療技術の進歩で生きるのが向いてない人も生きれるようになってしまった。
俺も精神科に通院しているけれど、待合室にいる同じ精神疾患者には恐らく江戸時代だったら自然淘汰できたであろう俺と同じ社会不適合者が、しかも10代〜30代の人が多い。
皇室だけど品位のために品質と性能の高い子供が求められるので。現代は生殖医療も進歩しているし、配偶者に精神疾患の遺伝的な欠陥がないか調べられるかもしれないし、何なら精子・卵子の冷凍保存技術も進歩している。
というかiPSも進歩して品質・性能の高い子供ができやすくなるかもしれない。
京都のS
2025年5月13日
掲載ありがとうございました。「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」や吉原の要素を含むブログは以下です。
・「『べらぼう』が始まった今だから言っておきたい平賀源内異聞」( https://aiko-sama.com/archives/48334 )
・「『光る君へ』と『べらぼう』を繋ぐレイラインと愛子天皇への道」( https://aiko-sama.com/archives/49128 )
・「『血のスペア』という非人道的システム」( https://aiko-sama.com/archives/49347 )
・「『○○売れ』とは『景気の気』」( https://aiko-sama.com/archives/50040 )
・「正しい改革も楽しませながら訴える時代だから」( https://aiko-sama.com/archives/50174 )
・「血統書付きのホシュを今すぐ終焉させよ!」( https://aiko-sama.com/archives/50602 )
・「皇室で飯食ってる奴が皇統断絶推進ってどういう了見だ!?」( https://aiko-sama.com/archives/50851 )
。「愛子様は127代目として即位していただくべきでありんせんか?」( https://aiko-sama.com/archives/51467 )
・「女性皇族を地獄に置き続けたがる人非人こそ地獄へ落ちよ!」( https://aiko-sama.com/archives/51677 )
・「大切なものはパトリオットにしか守れない!」( https://aiko-sama.com/archives/52091 )
・「時代遅れの価値観が時処位に適うこともある」( https://aiko-sama.com/archives/52390 )
・「小さな柵や対立も吹き飛ばすほど大きな風を起こそう!」( https://aiko-sama.com/archives/52504 )
・「弱者権力もルッキズム批判も排し、書で以て世を耕そう!」( https://aiko-sama.com/archives/52814 )
・「皇室という光を消す男系固執派こそ『世間の外』だと知らしめよ!」( https://aiko-sama.com/archives/53108 )
・「ナショナリスト同士なら話は通じるはずだが?」( https://aiko-sama.com/archives/53490 )
・「天才が真相に肉薄した稀代の作品を携えて進もう!」( https://aiko-sama.com/archives/53930 )
・「身近に感じられるからこそ素朴な尊皇心が育まれる」( https://aiko-sama.com/archives/54451 )
・「『光る君へ』から皇族女子の生き辛さを思う 2nd season」( https://aiko-sama.com/archives/37751 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 11th season」( https://aiko-sama.com/archives/46948 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 15th season」( https://aiko-sama.com/archives/48744 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 17th season」( https://aiko-sama.com/archives/50633 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 18th season」( https://aiko-sama.com/archives/51972 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 22nd season」( https://aiko-sama.com/archives/53796 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 25th season」( https://aiko-sama.com/archives/54670 )