
最近の「光る君へ」では、自分の意思をハッキリ示せるようになり好きな青い衣も着けられるようになった中宮・彰子(見上愛)が、自分を変えてくれた藤式部(後の紫式部:吉高由里子)を深く信頼し、父(藤原為時:岸谷五朗)や娘(賢子:梨里花)に会うために里下がりした藤式部を恋しがる様子が描かれました。彰子の皇子(敦成親王)出産に際しては藤原道長(柄本佑)から記録(後世に紫式部日記として伝わる)を頼まれ、彰子の発案で制作された『源氏物語』(第1部=33帖まで)の豪華本が一条帝(塩野瑛久)に献上され、藤壺(彰子サロン)で『源氏~』の朗読会も催されました。つまり、キャリアウーマン藤式部の絶頂期です。
しかし、里下がりした藤式部が為時や惟規(弟:高杉真宙)、賢子らの前で語ったのは、親王誕生から50日目の祝宴で藤原公任(町田啓太)にナンパされた話や堅物の藤原実資(秋山竜次)も羽目を外していた話、食べきれない量の料理や菓子が出た話といった土御門殿(出産のために帰った彰子の実家)での自慢話ばかりとなり、賢子は寂しげな表情を浮かべ、弟からは「飲み過ぎだよ」と注意されました。この状態は、偶に早く帰ってきたら「自分が如何に仕事で成果を上げたか」を自慢する父親のようでした。劇中ではキャリア女子(藤式部)に演じさせながら、大石静(脚本家)さんは世の男性たちに警告を発したのかもしれません。「コレって俺じゃん」と思ったなら、「夫を支えることが妻の充実感であろう」という有り得ない態度を反省して改めなさいと。
さて、内裏の藤壺に侵入した賊から彰子や親王を守る働きをした藤式部に対し、道長は「敦成親王様は次の東宮となられる方ゆえ」とウッカリ本音を漏らしました。現東宮・居貞親王(後の三条帝:木村達成)の次は一条帝と定子(高畑充希)との子で彰子の養育する敦康親王(渡邊櫂)が既定路線でしたが、道長は既に孫の敦成を想定していたわけです。「道長は闇落ちしない」(大石談)そうですから、彼の親心が彰子の息子(敦成)に継がせたがるのでしょうが、それは居貞と敦康の排除を意味します。ゆえに敦康との絆を大事に思う彰子VS彰子のために敦成を帝にしたい道長という対立に紫式部が悩む展開が後半の山場でしょう。また手にした権力を手放したくない者は皇位を政争の具とすることに躊躇は無く、リアルの石破新総裁も男系固執の正体を現しました。
文責 京都のS
6 件のコメント
京都のS
2024年10月12日
有難うございました!でもサイト内検索を使うのは私ぐらいかもしれませんね。右上の「キーワード検索」と書いた箱に色々な単語を入れて検索したら面白いのに(笑)。
fei
2024年10月12日
大変失礼しました。
ただいま文責を加えました。
京都のS
2024年10月12日
17thだけ(文責:京都のS)が抜けています。サイト内検索で「京都のS」を入れたら「17th」が出ませんでした。
京都のS
2024年10月4日
れいにゃん様、久しぶりのお越しに感謝いたします。
石破=実資は上半期にはメチャ思ってました(笑)。「私を総理にしておけば!」「ゴー宣道場で話したことなど日記には書かぬ!…恥ずかしくて書けぬわww」などなど(笑)。
もし賢子が大弍三位という高位にまで上った理由が、まひろと自分(道長)との子だと気付いたからだとしたら、何だか少し興ざめします。彼女は実力で登ってほしいですね。
彰子は敦康との絆を確かなものにしていますから、もし道長が敦康を排除したら絶対に許せないでしょうし、もちろん紫式部は彰子側ですし、それが「水鶏事件」(紫式部の局の戸口を道長が一晩中叩いていた=許しを請うために?)の真相かも?と思っています。
れいにゃん
2024年10月4日
久しぶりの家で錦を飾りながら、酔った姿を見せる親。思春期の子が「恥ずかしい!興ざめ!」と受け止めるのは世の常ですね。でも賢子は母をしのぐキャリアウーマンになるので、それを想うと味わい深い場面でした。そして道長は闇落ちするのか…!?
それと、黒光る君実資の容姿が、石破茂に似ていると思ったり、「女系は排除?解せぬ!」と脳内妄想でセリフを言わせていた事を、今、深く反省しています。
京都のS
2024年10月4日
ふぇい様、掲載ありがとうございました。早くも17回目です(笑)。「光る君へ」や『源氏物語』を題材にしたものは以下です。
・「『光る君へ』から皇族女子の生き辛さを思う 1st season」( https://aiko-sama.com/archives/35405 )
・「『光る君へ』から皇族女子の生き辛さを思う 2nd season」( https://aiko-sama.com/archives/37751 )
・「『光る君へ』から皇族女子の生き辛さを思う 3rd season」( https://aiko-sama.com/archives/38829 )
・「『光る君へ』から皇族女子の生き辛さを思う 4th season」( https://aiko-sama.com/archives/40097 )
・「「光る君へ」から皇族女子の生き辛さを思う 5th season」( https://aiko-sama.com/archives/41148 )
・「「光る君へ」から皇族女子の生き辛さを思う 6th season」( https://aiko-sama.com/archives/41253 )
・「『光る君へ』から皇族女子の生き辛さを思う 7th season」( https://aiko-sama.com/archives/41618 )
・「『光る君へ』から皇族女子の生き辛さを思う 8th season」( https://aiko-sama.com/archives/41824 )
・「『光る君へ』から皇族女子の生き辛さを思う 9th season」( https://aiko-sama.com/archives/42000 )
・「『光る君へ』から皇族女子の生き辛さを思う 10th season」( https://aiko-sama.com/archives/42094 )
・「『光る君へ』から皇族女子の生き辛さを思う 11th season」( https://aiko-sama.com/archives/42853 )
・「『光る君へ』から皇族女子の生き辛さを思う 12th season」( https://aiko-sama.com/archives/43220 )
・「『光る君へ』から皇族女子の生き辛さを思う 13th season」( https://aiko-sama.com/archives/43538 )
・「『光る君へ』から皇族女子の生き辛さを思う 14th season」( https://aiko-sama.com/archives/44244 )
・「『光る君へ』から皇族女子の生き辛さを思う 15th season」( https://aiko-sama.com/archives/44386 )
・「『光る君へ』から皇族女子の生き辛さを思う 16th season」( https://aiko-sama.com/archives/44417 )
・「男の嫉妬が英雄を冷遇するなら、トップは女子で良くないか?」( https://aiko-sama.com/archives/35425 )
・「男系固執の鬼どもを退治てくれよう」( https://aiko-sama.com/archives/39215 )
・「革命的皇位簒奪への対策を『源氏物語』から学ぶ」( https://aiko-sama.com/archives/36977 )
・「儒教的男尊女卑に利用されてきた血穢概念を葬れ!」( https://aiko-sama.com/archives/37641 )
・「尊皇心0な輩は永遠に呪われろ!」( https://aiko-sama.com/archives/38188 )