「光る君へ」から皇族女子の生き辛さを思う 19th season

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 大河「光る君へ」では、まひろ(藤式部→紫式部:吉高由里子)と藤原道長(柄本佑)との不義の子である賢子と娘を顧みず宮仕えに励む母・藤式部との仲は長らく険悪でしたが、ようやく雪解けの季節となりました。しばらく無官だった父・藤原為時(岸谷五朗)が越後守に任じられ、弟・惟規(高杉真宙)が父を越後まで送る途中に自身が病を発し、彼が死の床で詠んだ辞世の歌「都にも 恋しき人の 多かれば なほこのたびは いかむとぞ思…」(最後の一字を書く前に力尽きた)を同封した文が為時邸に届きました。里下がりしていた藤式部が弟の歌(特に為時が書き足した「ふ」)を見て泣き崩れると、賢子(南沙良)は寄りかかる母の肩を抱きました。本作の癒しキャラ惟規は自らの死で以て藤式部と賢子の緊張関係を解き、癒し枠としての役割を完遂しました。これにより賢子は宮仕えという母と同じ道を歩き始められます。

 内裏での賢子は頼宗(道長と明子の子:上村海成)や定頼(公任の子)らの貴公子と浮名を流しつつ兼隆(劇中で祖母”ちやは”を殺した道兼の子)と結婚しますが、最愛の相手は武者志望のオリキャラ双寿丸(伊藤健太郎)だと私は予想します。演じる伊藤健太郎に関して未だに「交通事故の禊が済んでいない」と言う人も居ますが、こうした日本的な嫉妬に基づく不寛容欧米リベラル的人権思想の権威を纏ったら皇室までがキャンセル対象にされかねません。ゆえに需要も実力も有るなら公共放送が率先して使うべきでしょう。本人に一切の非が無い旧ジャニーズタレントなら猶更です。

 さて、道長と源倫子(黒木華)の次女・研子(倉沢杏菜)の居貞親王(現東宮・後の三条帝:木村達成)への入内が決まり、一条帝(塩野瑛久)の中宮・彰子(見上愛)に研子が挨拶に来た際「私たちは父上の道具」と自嘲的に言う衝撃的な場面がありました。居貞は一条帝から皇位を継ぐ予定の皇太子ですが、冷泉皇統と円融皇統とで皇位を交互に回す悪習により「捻じれ」が生じ、実は一条帝より居貞の方が年長でした。それゆえ研子は18才も年上の居貞より息子の敦明に興味を示しました。この状態は『源氏物語』「若菜上」で老いた光源氏より若い柏木を受け入れて不義の子(薫)を産んだ女三宮を連想させます。

 それはともかく、皇族方が為政者の道具にされないための法整備(女性・女系天皇を認める典範改正)こそ急務でしょう。    

文責:京都のS

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