ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 21st season

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 4月14日の「英雄たちの選択」(NHK)は高橋是清を採り上げていました。一次大戦特需による大正バブルが崩壊(1917)し、関東大震災(1923)で生産も消費も激減し、蔵相の失言で取り付け騒ぎが起こり(昭和金融恐慌:1927)、そうして総辞職した民政党内閣に代わって立った政友会の田中義一内閣は高橋是清を蔵相に指名しました。高橋は支払猶予令・新二百円札発行・特別融資で預金者を安心させ、恐慌は40日余りで収束しました。しかし、次の民政党内閣の井上準之助蔵相が、金本位制復帰を急いで緊縮財政を敷いたため不況に戻り、そこに世界恐慌(1929)が重なりました。それゆえ政友会の犬養毅内閣は再び高橋を担ぎ出し、高橋は金本位制離脱(円安で輸出↑)・低金利政策(産業振興)・赤字国債発行(公共投資)を施し、やがて日本経済は銀ブラが流行するまでに復活しました。以上の経緯は「12th season」でも述べました。

 しかし農村では未だ貧困が続いており、それゆえ憂国青年によるテロ(血盟団事件・5.15事件:1932)も頻発しました。そこで高橋は農村対策として時局匡救事業(地方の公共事業に農村の労働者を雇う)を実施し、発行した国債は日銀に引き受けさせました。この新しい財源確保策を喜んだのが、満州事変(1931)で勢い付き軍事費増額を望む軍部でした。農村での公共事業は需要↑による健全インフレに向かいますが、軍事費↑では軍需が国民の供給力を超えた場合に悪性インフレを起こします。しかし番組はインフレの種類を曖昧にしたまま識者(緊縮論者)に批判させ、積極財政を行ったから戦争が起きたと匂わせました。当時はマスコミ報道も世間の空気もイケイケどんどんだったというのに。嗚呼…。

 さて、七度目の蔵相を勤める高橋は閣僚会議で陸相と激論を交わしました。「アメリカと戦ってワシントンまで占領できるか?」「ロシアと戦ってモスコーまで行けるか?」「国防は攻め込まれないように守るだけでいい」「常識を欠いた軍部が政治に嘴を入れるのは言語道断!」と。そして2.26事件で高橋は殺され、人々は大陸進出が景気回復をもたらすと信じて敗戦まで突き進みました。嗚呼…。

 では、我々が今やるべきは「男系継承に固執したままで皇室が続くと思うか?」「9割の国民が願うように皇室典範を変えるだけでいい」「似非ホシュの振る舞いは言語道断!」と説くことでしょう。

 敗戦(皇室消滅)に至る前に!   

 文責:京都のS

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