
5月26日の「英雄たちの選択」(NHK BS)は大河ドラマ「べらぼう」にも登場する江戸中期の幕臣・長谷川平蔵宣以を扱っていました。長谷川が火付盗賊改に就任した頃(1787)、江戸は浅間山噴火(1783)と天明大飢饉(1782~)のために故郷を捨てた無宿人で溢れていました。老中首座の松平定信は無宿人を帰農させたがりましたが、長谷川は罪を犯した無宿人が再犯しないように職業訓練を施す更生施設・人足寄場をつくるよう建白書を提出しました。後に人足寄場は江戸湾の石川島に建設されましたが、運営資金は不足(1年目:米500俵・金500両→2年目:米300俵・金300両)していました。
長谷川は物価高対策として幕府から拝領した金3000両を金-銭レートによるマネーゲームで約3500両に増やし、利鞘を運営資金に充てました。定信は平蔵の功績(無宿人↓&犯罪件数↓)を認めましたが、町奉行には昇格させませんでした。理由は件のマネーゲームが定信の癇に障ったからだとされますが、重商主義(大都市の商業を重視)だった田沼意次への反発から重農主義(農民と武士を重視)に回帰するべく帰農令に固執した可能性もあり、また寛政改革(1787~93)が緊縮財政だったため、人足寄場のコストをカットしたかった可能性もあります。とは言え、当初は人足寄場をOKしたわけですから、定信は緊縮一辺倒でもなく時処位に応じた政策を打てる保守的プラグマティスト(実際主義者)な側面も無くはないわけです。
さて、ここから「23rd season」で論じた「令和のコメ騒動」を再び論じます。ケインズは「株投資は美人投票に見立てられる」と言いました。即ち、投票者が最も美しいと思う写真ではなく他の投票者が好みそうな写真を選ぶことになり、同様に他の投資家が買いそうな銘柄を選んで買うことになります。この伝で行けばコメの先物市場においても、米価高騰が続くと判断したら相場師は買うはずであり、転売ヤーも米泥棒も暗躍するはずであり、その状態が何時まで続くかと問えば、少子化が止まって就農人口が増加するまで続くとしか思えません。であれば、ケインズ政策で調達したカネによる一次産業従事者の所得補償も必要ですが、それ以上に少子化対策が重要です。従ってプラグマテッィク(実際的)に考えれば皇位継承問題における象徴的な男尊女卑を除くために愛子様の立太子こそが優先順位の1位でなければならないのです。
文責:京都のS
3 件のコメント
京都のS
2025年6月4日
とっと様、その問題は難しすぎて応えられません。少しづつ当記事や当サイトの趣旨からもズレていっている気がしますので。
とっとちゃん
2025年6月3日
少子化対策は賛成です。
難しいけど、障害児ではない性能と品質の高い健常児が産まれやすい工夫が必要かと。
ようやく出生前検査など医療技術の進歩でダウン症の中絶率も上がりましたが、フランスと違って20万円と自己負担なので普及が進んでいないのも現実。
農業の問題ですけど。
国の障害者福祉サービスにB型作業所というのがあって。9:00〜16:00に障害者が利用するサービスで雇用契約を結ばない職業訓練の制度なんですよ。
雇用契約を結ばないので最低賃金未満で働くことが可能でして。私も時給100円〜200円で製造業とか、自動車会社の下請けとか、食品会社とか、農業団体から仕事を請け負うことがありました。
(障害者にもできる簡単なプラスチック部品の検品、箱折り、スーパーに販売されるジャムの加工、請負で河川や堤防の除草、刈払い機を使った田んぼの畦道の除草、農作物の収穫や手入れ)
米作りですが、米は1年に1回しかできないし生育の管理が難しいので障害者には厳しいです。ただ、草刈りなどの業務を切り出して障害者施設に請負で仕事を与えれば、障害者に時給100円も給料が発生するし、農家さんも人件費の削減や外出て草刈りをする手間を減らせられます。
問題は障害者は健常者の4〜6割の性能しか出せれないので、どうやって生産性を上げれるか。また9:00〜16:00と時間が固定されており、柔軟に訓練時間を変えれるよう制度を見直す必要もあります。
今、仕事のない障害者が増えていて、更に発達障害や精神障害者が増えています。そういった障害者に誰もやりたがらない農業をやらせて、福祉予算も削減できるし農業の人手不足の解消を目指しています。農福連携といいます。
京都のS
2025年6月1日
掲載ありがとうございました。ケインジアン男系派のついでにネオリベ緊縮派も斬るシリーズの第25弾です。鬼平ネタです。長谷川平蔵は竹中平蔵と違って善人です。・
第1弾~第26弾は以下です。
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する!1st season」( https://aiko-sama.com/archives/36871 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する!2nd season」( https://aiko-sama.com/archives/37083 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する!3rd season」( https://aiko-sama.com/archives/38400 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する!4th season」( https://aiko-sama.com/archives/42223 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 5th season」( https://aiko-sama.com/archives/43664 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 6th season」( https://aiko-sama.com/archives/46020 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 7th season」( https://aiko-sama.com/archives/46118 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 8th season」( https://aiko-sama.com/archives/46543 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 9th season」( https://aiko-sama.com/archives/46734 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 10th season」( https://aiko-sama.com/archives/46928 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 11th season」( https://aiko-sama.com/archives/46948 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 12th season」( https://aiko-sama.com/archives/47573 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 13th season」( https://aiko-sama.com/archives/47597 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 14th season」( https://aiko-sama.com/archives/48337 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 15th season」( https://aiko-sama.com/archives/48744 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 16th season」( https://aiko-sama.com/archives/50146 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 17th season」( https://aiko-sama.com/archives/50633 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 18th season」( https://aiko-sama.com/archives/51972 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 19th season」( https://aiko-sama.com/archives/52872 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 20th season」( https://aiko-sama.com/archives/53304 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 21st season」( https://aiko-sama.com/archives/53746 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 22nd season」( https://aiko-sama.com/archives/53796 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 23rd season」( https://aiko-sama.com/archives/53979 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 24th season」( https://aiko-sama.com/archives/54238 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 25th season」( https://aiko-sama.com/archives/54670 )
・「ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 26th season」( https://aiko-sama.com/archives/54677 )
他にケインズ主義について書いた記事は以下です。
・「インペリアル・グローバリズムという悪夢2」( https://aiko-sama.com/archives/33381 )
・「時処位の変化と制度改革」( https://aiko-sama.com/archives/32084 )
・「歴史から自由になった日本人民は皇室を戴けるか?(下)」( https://aiko-sama.com/archives/22681 )
・「権力者・愛子天皇の治世を仮想してみれば…」( https://aiko-sama.com/archives/22571 )
・「齟齬が生じたなら万難を排して改めよ!」( https://aiko-sama.com/archives/34107 )
・「思想マトリックスに皇統問題を加味してみた(表)」( https://aiko-sama.com/archives/29761 )
・「博愛と競合の間(余)~圧倒的に節度が足りない!」( https://aiko-sama.com/archives/37381 )
・「合理と感情の間~良識なき言論人を葬送せよ!」( https://aiko-sama.com/archives/38156 )