ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 28th season

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 6月9日の「英雄たちの選択」(NHK BS)は「将軍吉宗VS大坂米商人の20年戦争」がテーマでした。徳川吉宗については以前「11th season」で採り上げましたが、今回は「米公方」の側面に焦点を当てます。まず諸藩が集めた年貢米は大坂の蔵屋敷に収められ、米商人は諸藩の発行する米切手(米十石と交換できる証券)を落札します。やがて正米商い(米切手の売買:現物取引)だけでなく帳合米商い(帳面上での売買:先物取引)も横行し、投機目的の相場師が米価を決定するというネオリベ論者が泣いて喜びそうな局面に至りました。これが当時の堂島米市場です(※10th season参照)。

 ところで享保改革(1716~35年)中の1722年から米価が暴落しましたが、理由は新田開発や耕作技術向上による米の収量増加(供給)が人口増加(需要)を超えたためです。米価が下がると収入源が米である武士が困窮するため、吉宗は米価の下限を定めましたが、多くの大名・旗本は米切手を担保に米商人からカネを借りており、米価統制が逆に武士を追い詰めるために吉宗は断念せざるを得ず、帳合米商い(投機的な先物取引)も黙認しました(1730)。大河「べらぼう」では松平武元(石坂浩二)が田沼意次(渡辺謙)に「米を高く買わせればよい」「上様の威光を高めれば出来る」と宣いましたが、上記を思えば無理筋です。米商人の高利貸しが旗本の娘を吉原に送る事態も頻出しました。

 最終的に吉宗の採った米価対策は貨幣改鋳(金銀含有量↓…米価↑:金融政策)ですが、これはケインズ政策の一側面です。しかし、番組冒頭では公共事業が幕府財政を悪化させたとして財政政策(ケインズ政策の別側面)を攻撃しており、日本マスコミの緊縮好きは相当に頑固です。

 米公方は米価下落に悩まされましたが、現代の我々は米価高騰に苦慮しています。原因は明らかに就農人口の減少ですが、グローバリスト(ネオリベ緊縮)の小泉進次郎農相は外国産米の輸入を熱望しています。これは緊急措置としてはアリですが、食糧安保の観点から恒久措置にしてはなりません。ゆえに「令和のコメ騒動」の根本治療には、米農家を生業たらしめるべく関税政策(反グローバリズム)所得補償(原資はケインズ政策)などが必要であると共に、就農人口を増加させるべく地域社会における男尊女卑を解除せねばならず、その端緒となるのは皇統問題における象徴的な男尊女卑の解除(=愛子様の立太子・即位)しかありません。    

文責:京都のS

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