「光る君へ」から皇族女子の生き辛さを思う 27th season

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 「光る君へ」11月24日放送回の冒頭で、四納言(藤原公任・斉信・行成・源俊賢)は藤原道長(柄本佑)に「このよをば 我がよとぞ思ふ 望月の かけたることも 無しと思へば」の真意を問いました。「この世」ならゴーマンな歌ですが、「この夜」なら「満月の良い夜だ」程度の意味です。そして、これは敦成(彰子と一条帝の皇子)誕生後に藤式部(まひろ:吉高由里子)が詠んだ「めづらしき 光さしそふ さかづきは もちながらこそ 千代もめぐらめ」への返歌だと思われます。藤式部は彰子(見上愛)と道長に貢献できて嬉しい気持ちを詠んだのに対し、道長は今夜ぐらい”まひろ”との約束を満たせたと思いたいとの心情吐露でしょう。また、これほど月を愛でる国民性なら数百年後の文豪も「『I love you』の和訳は『月が綺麗ですね』だ」と言うでしょう。

 一方の藤式部は『源氏物語』を完成させました。そして物語に登場した須磨や明石、さらに亡き夫・藤原宣孝(佐々木蔵之介)が赴任した大宰府や親友”さわ”(筑紫の君:野村真純)が亡くなった肥前の松浦にも行きたいと願いました。藤式部が指南した太皇太后・彰子は強く成長し、娘の賢子(南沙良)も宮仕えが成った今、旅立ちを躊躇する理由は有りません。これに衝撃を受けた道長は「宇治十帖」で浮舟に未練タラタラな薫ばりに”まひろ”を引き留めますが、「手に入らぬ方の傍に居る意味は何?…違う人生も歩んでみたい」と翻意しません。「賢子は貴方との子」と知らされても道長は”まひろ”を失う方が辛かったらしく出家を決意しました。

 さて、摂政を継いだ嫡男・頼通(渡邊佳祐)は叙位の儀(任官式)をボイコットする左大臣・顕光(宮川一朗太)や右大臣・公季(米村拓彰)に悩まされていました。この件で私が連想したのは戦前の「軍部大臣現役武官制」です。辞めた陸海軍大臣の後任を軍部が出さなければ内閣は総辞職に追い込まれ、コレを頼みに自分らの意向を政治に反映させました。これはロンドン海軍軍縮条約に調印(1930)した浜口雄幸内閣が統帥権干犯問題で倒れた件にも関わり、英米との協調を望む昭和天皇の意向を無視して対米開戦に向かった端緒の一つだと言えます。現在の皇族方は愛子天皇を望んでおられると拝察できますが、国民の1割にも満たない男系固執派の意向に従う政治屋とマスコミが破滅に向かって進軍中です。放置すれば月どころか太陽も失われましょう。    

文責:京都のS

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