ケインジアン双系派がケインジアン男系派を駆逐する! 30th season

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 少し前の「英雄たちの選択」大岡越前守忠相を採り上げていました。大岡は某ドラマのせいで「大岡裁き」する町奉行の印象ですが、実際には8代吉宗に仕える経済官僚でした。

 当時は「米価安・諸色高」、つまり米(武士の棒禄)の値が下がり、相対的に諸色(米以外の必需品)の値が上がっていたため、大名から足軽までの武士が苦境に立たされていました(※ 28th season参照)。それは新田開発や耕作技術向上による米の供給過剰が人口増による米の需要を超えたためでした。また当時は諸色の生産を担ったのは主に上方(大坂・京…)であり、「上方の銀遣い・江戸の金遣い」と貨幣圏が東西で分断されてもいたため、諸色の需要が伸びれば交換レートは金安銀高に振れ、幕府が公定レート(金1両=銀60匁)を定めても日々変動し、1両=40匁辺りに落ち着きました。大岡が江戸市中の物価安定のために諸色の値を統制したり金銀レートに介入したりを試みても、上方の商人も江戸の両替商(鴻池・三井・住友)も全く言うことを聞かず、逆に両替商がストを起こせば江戸の民が干上がるために断念せざるを得ませんでした。

 そこで大岡は貨幣改鋳(金銀含有量4割↓)を行い、新貨と旧貨の交換を促すために増歩(交換プレミアム)を付けて新貨普及を促しました。これは貨幣流通量を増やしてカネの価値を下げれば相対的に米価が上がる(諸色を買う原資↑)という金融政策(ケインズ政策の一側面)でした。一昔前なら悪貨を発行するとインフレになると緊縮派が騒いだでしょう(笑)。これが米公方・吉宗による米価安対策でしたが、残った課題(東西貨幣圏統一・商業課税・財政政策=ケインズ政策の別側面)に取り組んだのが大河「べらぼう」で活躍中の田沼意次です。大岡や田沼といった江戸期の経済官僚は時代の変化に応じて必要な対策を打てる保守政治家だったと言えます。

 さて、保守とは時処位の変化に応じて平衡を取る態度のことですが、現代日本では時処位を無視する反左翼が保守を名乗っています。「令和の米騒動」の原因は就農人口減少にあり、農山村に蔓延る男尊女卑的因習若者のUターン・Iターンを躊躇わせていると知れば、因習解除が最重要課題となり、それには皇統問題における象徴的な男尊女卑の解除(愛子皇太子→愛子天皇)が最も有効です。それは同時に皇位の安定的継承にも直結し、その実現こそが日本売り(円安etc.)を止める切り札だと私は直感します。    (文責:京都のS)

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