「光る君へ」から皇族女子の生き辛さを思う 32nd season

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 「光る君へ」の冒頭は天体観測中の安倍晴明(ユースケ)の「雨が降るぞ…大雨だ」から始まり、終幕は東国での戦(平忠常の反乱:1028)に参陣すべく走り去る武者・双寿丸(娘の思い人:伊藤健太郎)を見送った”まひろ”(吉高由里子)の「嵐が来るわ」でした。前者の嵐は藤氏長者の座を賭けた権力闘争の激化を意味し、後者の嵐は武士の台頭と戦乱の世の到来を指します。まさに「光る君へ」は歴史の大きな転換点を描くドラマでした。この後の日本列島は、前九年の役(1051~62)・後三年の役(1083~87)、保元の乱(1156)・平治の乱(1159)、源平合戦(1180~85)、承久の乱(1121)を経て武士の世となります。

 源平から承久の乱と言えば「鎌倉殿の13人」(2022)ですが、劇中で北条政子(小池栄子)と源頼朝(大泉洋)の娘・大姫(南沙良)は『源氏物語』の愛読者ゆえ、祈禱僧・阿野全成(新納慎也)に「紫式部を呼び出せ」と無茶を言い、その南沙良が「光る君へ」(2024)では紫式部の娘・賢子を演じました。実にダイナミックな伏線回収(むしろ番宣?)です。同じ伝で「鎌倉殿~」の後鳥羽上皇(尾上松也)は、『御堂関白記』の記述を引きつつ頼朝の死因は藤原道長と同じ飲水病(糖尿病)だろうと推理しました。「光る君へ」の道長(柄本佑)も劇中での言及こそありませんが、死の床では(糖尿病性網膜症で)目が見えなくなっていました。

 歴史をダイナミックに動かしたと言えば、”ききょう”(清少納言:ファッサマ)の『枕草子』と”まひろ”の『源氏物語』です。清少納言は自身が仕えた定子(高畑充希)への愛が強すぎ、それゆえ彰子(見上愛)・道長・まひろを敵視して喧嘩別れしましたが、最終回で2人は友情を結び直しました。また『源氏物語』の大ファン・ちぐさ(菅原孝標娘:吉柳咲良)が相手を作者と知らずにヲタクトークをかますシーンも歴史ファンや古典ファンを沸かしました。平安文学に造詣の深い愛子様も「光る君へ」を楽しまれたはずだと拝察します。

 さて、劇中の道長は「晴明に寿命を十年やったが、やらねばよかったぁ」(※10年は雨乞いの成功報酬)と悔やみましたが、リアルの我々が避けるべき後悔は皇統問題の時間切れです。ここから数年を無為に過ごせば日本国と日本人が地上から消滅するという瀬戸際の「大嵐」に巻き込まれるのですから、後悔しないために動くなら今しかないのです。   

文責:京都のS

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